「若者の恋愛離れ」が叫ばれる中、恋愛コンテンツはいまだに話題になることが多く、カップルインフルエンサーも人気を集める。果たして、Z世代は「恋愛」をどう捉えているのか――。月200人のZ世代と接しているSHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣氏が、アンケートやヒアリングを基にZ世代の「恋愛観」の実態とその背景にある理由について解説する。
「若者の恋愛離れ」という言葉があります。2022年に公表された内閣府の「令和4年版男女共同参画白書」では、20代男性の4割が「デート経験がない」という結果となり、この「恋愛離れ」が話題になったことが記憶にある方もいるかもしれません(時系列データがなく、具体的に恋愛離れしているかどうかは議論がありますが)。
私たちが日々向き合うZ世代(SHIBUYA109 lab.の定義では15~24歳が対象)は、恋愛に対して、どのように捉えているのでしょうか。22年末にSHIBUYA109 lab.で実施した「恋愛や結婚観に関する調査」(15~24歳男女 n=400)では、「恋愛は人生に必要不可欠」と考えているのは12.8%にとどまる結果となりました。実際に彼ら・彼女らと話していると、必ずしも恋愛は必要なものではない、と考えていることを実感します。
00年代中盤ごろから、「リア充」を嫉妬などを込めて避難するような言葉が聞かれるようになりました。リア充とは、「リアルが充実している」の略語であり、多くは「恋人がいる人=リア充」とされ、恋愛をしている人、していない人での違いを強調する構図が見られていました。
しかしZ世代に聞くと、恋人の有無で誰かと比べたり、優越感や劣等感を持ったりする人は少ないように感じられます(もちろん、ゼロではない。うらやましいという言葉はよく聞きます。実際に「できれば恋愛をしていたい」という回答は34%を占めます)。
どちらかというと「恋愛しても、してなくてもどちらでもいい。個人の自由だよね」という意識が強い傾向にあります。他者が恋愛をしていてパートナーと充実した日々を過ごしていることに対してひがんだり、自虐的に感じたりすることはあまり見受けられません。「恋人の有無がステータスに関わらない」という回答は60%にのぼります。
なぜこれだけ恋愛に対する執着心が薄いのか。その理由は、恋愛と同等の価値を感じる事柄が増えているからだと考えます。
例えば、Z世代の約8割が楽しむ「推し活」もその一つです。推し活で疑似恋愛体験をしている人もいますが、恋愛感情とは異なる“推したい”という応援意欲がモチベーションになっていることも多く、恋愛欲を推し活で解消しているとは考えにくい状況です。
どちらからというと、推しや動画コンテンツ視聴などの趣味、友達と過ごす時間など、恋愛以外にも時間やお金をかけたい多様な選択肢があり、それぞれの優先順位の設定が人それぞれである、という感覚があります。各自、自分が価値を感じるもの・コトを楽しめばよいし、それが必ずしも恋愛でなくてもよいのです。
「コンテンツ」としては恋愛はより身近に
恋愛に執着していないと見えるZ世代ですが、恋愛系コンテンツは人気です。
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