イングランド銀行(英中央銀行)は23日、0.25ポイント利上げを実施した。銀行セクターの混乱にもかかわらず利上げを継続した。英経済が当面はリセッション(景気後退)を免れるとの見通しと、インフレが引き続きリスクだとの認識を示した。
0.25ポイント利上げは市場予想に一致した。政策金利は4.25%と2008年以来の高水準となったが、中銀はインフレが持続する場合はさらなる利上げが必要だと言明した。
金融政策委員会(MPC)のメンバー9人のうち、7人が引き上げを支持。2人は据え置きを主張した。この2人は前回も据え置きを主張しており、新たに姿勢を変えた委員はいなかった。
金融市場の混乱が景気見通しを覆す恐れがあるが、中銀は銀行システムを巡る懸念を重大視せず、インフレ退治を優先課題としていることを示唆した。
議事要旨は「インフレ圧力がさらに持続する兆候があれば、金融政策の一段の引き締めが必要になるだろう」とし、2月のガイダンスを引き継いだ。
英中銀が利上げ停止を表明する構えだとの観測は後退した。投資家は先週、利上げ停止を織り込み始めたが、22日発表の2月の 英消費者物価指数(CPI)上昇率が2桁台を維持したことでポジションを転換させた。
中銀の発表後にポンドは上昇。投資家は年内に少なくともさらに1回の利上げがあるとの確信を深めた。
議事要旨にはクレディ・スイス・グループ救済や米シリコンバレー銀行(SVB)破綻への言及はなかった。中銀の金融行政委員会(FPC)は当局者らに、英銀行システムの資本は十分で、衝撃を吸収する「底堅さがある」と伝えた。
MPCメンバーの過半数にとって、2月のインフレ率は予想を0.6ポイント上回り、労働市場は賃金・物価スパイラルを引き起こすのに十分なほど引き締まっている。景気は予想以上に強かったと当局者らは指摘、2月時点で予想していた4-6月(第2四半期)の景気縮小をもはや見込んでいない。
金利据え置きの主張はテンレイロ委員とディングラ委員で、これまでの利上げがまだ完全には経済に浸透していないと論じた。現行の政策金利は十分に景気抑制的で、近く利下げに転じなければならない可能性があるとの見方を示した。
中銀は第2四半期の若干のプラス成長を予想。2月時点のマイナス0.4%の予想から上方修正した。インフレについては「大幅な上振れがあった」が、依然として今後数カ月の急低下を見込んでいるという。
ベイリー総裁は英経済の見通しついて前向きだ。クレディ・スイス・グループやシリコンバレー銀行(SVB)を巻き込む混乱を踏まえ、同総裁は消費者は英銀行セクターの健全性を「信頼」できると評価。今回の混乱が「2008年の繰り返しだとは全く考えていない」と述べ、「危機以降、われわれは銀行システムの規制を強化した」と続けた。ベイリー氏は代表取材で語った。
ベイリー氏はまた、物価上昇圧力が「落ち着きつつ」ある兆候が見られると指摘、民間セクターの賃金上昇ペースは減速している可能性があると強調した。
原題:Bunds Open Higher After Dovish Fed Hike; Focus on BOE Outcome
BOE Lifts UK Interest Rates at Slowest Pace Since June
*BOE: SIGNS OF INFLATION PERSISTENCE WOULD REQUIRE MORE HIKES
BOE Governor Says Global Banks are More Robust Than in 2008 (1)
(抜粋)
(最終2段落にベイリー総裁の発言を追加します)
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