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Monday, September 26, 2022

Apple Watchを4年間のランニングで使ってきて判明した不具合とは? - GIGAZINE(ギガジン)


スマートウォッチの普及によって、自身の健康状態や運動履歴を記録・綿密に管理することが簡単にできるようになりました。スマートウォッチ市場で最も大きなシェアを獲得しているApple Watchを4年間、週数回のランニングで装着していたユーザーが体験した不具合をまとめています。

Apple Watch Running Review - Runner’s Newsletter
https://applewatchrunner.substack.com/p/apple-watch-running-review

iPhoneを使ってランニングの記録をとっていたというRunner氏は、2018年末からApple Watch Series 4とNikeのランニングアプリを使って記録を取っていたとのこと。しかし、Nikeのアプリは当初記録データをダウンロードできなかったため、Appleのワークアウトアプリを使うようになったそうです。


Runner氏のランニングルートは毎回ほぼ同じで、総距離は約9.7km。Nikeのアプリではいつも走行距離が9.6~9.8kmと記録されましたが、時折測定値に大きなブレがあったそうです。また、watchOS 7の時にAppleのワークアウトアプリを使った時も、たまに測定値で異常が見られたそうです。その内容は測定中に位置情報が突然ワープしてしまい、突如走行速度・方向・走行距離が全く違う数値になってしまうというものでした。

そして、watchOS 8以降では、測定自体が不安定になって異常な値が記録されることがあったそうです。

以下のグラフは高度(左上)、走行速度(下段)の推移を示したもの。赤い線の左側が異常時、右側が正常時です。速度については異常がかなり顕著で、正常に測定している時はおおむね時速15km前後をキープしていますが、異常時は走行速度が時速4km~30kmで激しく変化したように記録されています。また、高度は正常時と比べて、異常時はデータの精度がかなり低くなっていることがわかります。Runner氏によれば、横断歩道を渡るために一時停止すると、右上のグラフのように測定異常が直ったそうです。


また、GPSによる位置情報取得がぴったり1秒ごと、つまり1分間に60回行われるそうですが、異常時は1分あたりおよそ50回程度にまで減ってしまったとのこと。

以下はwatchOS 8および9で同じルートを走った時の走行速度の推移グラフを複数まとめたもの。明らかにブレが大きくなっている部分は、測定が異常になっていることを示しています。Runner氏によれば、約80%の確率で異常な状態で測定がスタートしてしまい、平均で約18分間はまともに測定できなかったとのこと。


毎回のランニングでの走行距離をまとめたものが以下。約9.7kmのルートを走っているのですが、9.2km~9.6kmで大きなばらつきがあります。赤い点はランニングの冒頭で一時停止して正常に戻ったケースで、青い点は一時停止しなかったケースです。


Appleのフィットネスアプリで表示される走行速度のグラフとマップが以下。正常時(右)は走行速度も一定で、マップに示されたルートにも異常がありませんが、異常時(左)は走行速度に大きなブレがあり、マップに示されたルートに赤い点がいくつもあるのがわかります。


毎回ほぼ同じルートを何年も走り続けてきた中で得たものとして、Runnerさんは以下の解決方法を紹介しています。

・Apple WatchのWi-Fi通信、iPhoneのBluetooth通信をオフにして、ランニングを始める前に一度Apple WatchとiPhoneの接続を切る。
・ランニング前にApple Watchを再起動あるいはリセットする。
・ワークアウトアプリを開いてから30秒待ってから実行する。
すでにフォーラムで報告されている通り、「ミュージック」の同期に失敗してしまうので、アプリのアンインストールと再インストールを繰り返さない。

Runner氏はAppleのサポートにも連絡して解決を求めましたが、最終的にエンジニアから「一連の誤差は許容範囲内」と言われたそうです。watchOS 9とiOS 16でこの問題が解決されることを期待していたそうですが、記事作成時点でも解決はしておらず、更新以降はデータを出力したXMLファイルが壊れてしまっているとのこと。

Runner氏は、Apple Watchがストップウォッチや音楽プレイヤーとして機能するという点は認めた上で、フィットネスアプリの統計とグラフの精度が低すぎると指摘。「watchOS 7の方が優れたパフォーマンスを発揮していましたし、iPhone 4Sの方がトラッキングも正確だったので、問題はソフトウェアにあると思います。測定誤差は大きく、ランニング中のパフォーマンスの違いを覆い隠してしまいます」「Apple Watchとワイヤレスイヤホンだけを持ってランニングできるのは、特にトラッキングが機能している場合は魔法のように感じられます。実行中のデータをクラウドにアップロードする必要がなく、自分ですべて解析できることに非常に感謝しています。Appleが一連の問題をすべて解決してくれることを願っています」と述べました。

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