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Tuesday, September 20, 2022

市販の皮を2枚重ねモチモチ食感の水餃子が完成!2種類の餡で作る絶品水餃子【美窪たえ】 - メシ通

こんにちは! 料理家の美窪たえです。

本日は、市販の餃子の皮を2枚重ねて作る、皮のモチモチ食感とジューシーな餡のバランスが絶妙な「特製水餃子」をご紹介します。

餃子の本場である中国の水餃子は、皮が厚くモチモチしているのが特徴です。しかし市販の餃子の皮で再現することは難しく、物足りなさを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そうはいっても、餃子の皮から手作りするのは少々ハードルが高めですよね。

そこで、市販の餃子の皮を2枚重ねて使うことで、モチモチ食感を楽しめる水餃子のレシピをご紹介していきます。

たったこれだけの工夫で、食感や口当たりのよさがガラッと変化し、ワンランク上の水餃子を作ることができるんです。

また、水餃子の定番である「肉餡」とプリプリした食感が楽しい「エビ餡」、2種類の餡のレシピをご紹介していきますよ。

それでは皮のモチモチと餡のうま味がたまらない特製水餃子を早速作っていきましょう! まずは、肉餡の作り方をご紹介していきます。

材料(2〜3人前 15個分)

  • 餃子の皮(普通サイズ)……15枚
  • 餃子の皮(大判サイズ)……15枚
  • 豚ひき肉……150g
  • ニラ……2~3本(30g)
  • 刻み高菜……30g
  • 片栗粉……小さじ1
  • 酒……小さじ2
  • ごま油……小さじ1
  • 醤油……小さじ1
  • 溶き卵……1/2個分
  • おろししょうが……小さじ1

水餃子の作り方「肉餡編」

水餃子といえば、豚肉の餡が定番ですよね。ただし、水餃子の具を考える場合には、焼き餃子との違いを認識しておくことが大切です。

お湯でゆでる水餃子は、具材の中に一つでも火の通りが遅いものを使ってしまうと、加熱不足の心配からゆで時間が長くなってしまいます。

それ故に、ゆで過ぎにより想定以上に皮がやわらかくなってしまったり、破れてしまったりといった失敗に陥りやすくなります。だからこそ、水餃子に最適な材料だけを組み合わせることが重要です。

今回は水餃子の皮の食感を最大限にいかせるように、調理時間が均一になるような食材をチョイスしています。それでは、肉餡から作っていきます。

1.肉餡に入れる野菜を準備していきます。ニラを2〜3mmの小口切りにしていきます。

ニラの他に餃子の餡に入れる野菜といえば、キャベツや白菜が一般的です。焼き餃子の場合であれば、フライパンにふたをして高温で蒸し焼きにするため、野菜にもしっかり火が通り、甘みやうま味を引き出すことができます。

しかし、焼き餃子に比べて加熱時間がやや短くお湯でゆでる水餃子の場合は、加熱温度と調理時間の影響で、野菜の甘みやうま味を引き出しきれなかったり、食感が残り過ぎたりすることがあります。

そこで、水餃子の肉餡に使用するのが「高菜」です。

高菜という野菜は、キャベツや白菜と同じアブラナ科。水餃子の具として使っても何ら違和感なくなじんでくれます。

また、高菜漬けは漬物ならではの乳酸発酵の力で、食感がやわらかくうま味が強い食材です。そのまま食べることができるので、火の通りに関しても心配ご無用。刻みタイプなら包丁要らずで使い勝手も抜群で、水餃子の具材としてはよいこと尽くしの材料なんです。

2.ボウルに豚ひき肉と、野菜以外の材料を入れ、まとまりが出るまでよく練り合わせます。そこにニラ、刻み高菜を加えて、全体に行き渡る程度に軽く混ぜ合わせたら、肉餡の完成です。

刻み高菜を使えば、自分で刻むのはニラのみ。あっという間に作ることができますよ。

続いて、エビ餡の作り方をご紹介していきます。

材料(2〜3人前 15個分)

  • 餃子の皮(普通サイズ)……15枚
  • 餃子の皮(大判サイズ)……15枚
  • 冷凍むきエビ……180g
  • しょうが……30g
  • 塩……2g
  • 片栗粉……大さじ1
  • 酒……小さじ2
  • ごま油……小さじ1

水餃子の作り方「エビ餡編」

1.皮をむいたしょうがを縦1/4に切ってまな板に置き、木べらをのせて手で強めに押す、または叩くようにして、しょうがを軽くつぶします。

肉餡には風味付けとしておろししょうがを入れましたが、材料がシンプルなエビ餡では、刻んだ生のしょうがを使用します。しょうがの繊維に沿って割れ目が入ったら、包丁で粗みじん切りにします。

▲左:みじん切りにしたもの 右:木べらでつぶしてから粗みじん切りにしたもの

しょうがは軽くつぶしてから刻むことで、不規則な粗いみじん切りになります。この粗さが面白い食感となるため、食べた時のインパクトや香りがまるで違ってきます。

包丁でみじん切りにしたものと比べると、ひと工夫加えるだけで全く違う仕上がりになるところが、料理の面白みでもあります。余裕のある方はぜひ試してみてください。

2.冷凍むきエビは、水200ml(分量外)に塩小さじ1(分量外)を入れた塩水に、30分ほど浸けて解凍すると、加熱しても身が縮みにくく、ふっくらとした食感に仕上がります。お時間があれば、ぜひお試しください。

冷凍むきエビが解凍されてやわらかくなったら、ようじで背わたを取り除き、キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取っておきます。

3.エビをまな板の上に置き、木べらでぐっと押さえてつぶします。

エビはとてもやわらかい食材なので、簡単にすり身状になります。エビならではのプリッとした食感も残るように、つぶし過ぎにご注意ください。

4.ボウルに餃子の皮以外の材料を入れ、よく混ぜ合わせます。まとまりが出てきたらエビ餡の完成です!

しょうがの量が若干多く感じるかもしれませんが、シンプルな餡に爽やかなしょうがの香りと食感が加わりますので、ここは躊躇なく分量通り投入してみてくださいね。

水餃子の皮は「普通サイズ」と「大判サイズ」の異なるサイズを用意

2種類の餡の準備ができたところで、いよいよ市販の餃子の皮で包んでいきます。

一口に餃子の皮といっても、お店にはたくさんの種類が並んでいますし、水餃子専用の餃子の皮を見かける機会は、まだそれほど多くないようです。

▲左:普通サイズの餃子の皮 右:大判サイズの餃子の皮

そこで一般的な餃子の皮を2種類使って包んでいきますが、ぜひ推奨したいことがあります。それは、サイズの異なる「普通サイズ」と「大判サイズ」の餃子の皮を組み合わせて使用すること

同じサイズの餃子の皮を重ねて使う場合、包んだ時に縁の部分が実質4枚重ねになり、厚みが出て硬い食感が残ってしまいます。

ですが、大小の餃子の皮を組み合わせて使うことで、縁の部分の厚み問題が解消され、どこを食べてもなめらかな食感の水餃子に仕上げることができます。

今回のレシピで一番のポイントになりますので、餃子の皮を選ぶ際には、ぜひ意識してみてくださいね。

水餃子の作り方「包み方編」

餡と皮が揃ったところで、餃子を包んでいきましょう。

ゆで上がったものから順にすくい上げてお皿に盛り付ける水餃子は、形があまり気にならないので、包むのも簡単で気が楽ですよ。

1.手のひらに、大判サイズの餃子の皮をのせ、その上に普通サイズの餃子の皮を重ねて、中央に餡15〜18gをのせます。この時、火の通りを優先的に考えることがポイントです。餡を多くのせ過ぎないように注意しましょう。

2.大判サイズの餃子の皮の縁にぐるりと水(分量外)をつけたら、大判サイズの餃子の皮の真ん中同士をぎゅっと押してくっつけます。次に、まだ開いている左右の部分を、両方の親指と人差し指でぎゅっと挟んでしっかり閉じれば、できあがりです。

特にひだを作らなくても、ゆでると自然にシワが寄って水餃子らしくなりますので、餡が出てこないように縁がしっかり閉じられてさえいれば問題ありません。包んだ水餃子は重ならないようにバットに置き、この要領で全て包んでいってください。

水餃子の作り方「ゆで編」

最後に包み終わった水餃子をゆでていきます。

1.鍋に1.5〜2Lほどのお湯(分量外)を沸かし、サラダ油小さじ1(分量外)を加えます。お湯にサラダ油を少量加えておくと、ゆでた後、水餃子同士がくっつきにくくなりますよ。

2.強めの中火でしっかりお湯が沸いているところに、餃子をテンポよく投入し、水餃子同士がくっつかないように軽く混ぜて泳がせます。

鍋の大きさにもよりますが、一度にゆでるのは6〜8個ほどにとどめておく方が、湯温が下がりにくく、上手にゆでることができます。

3.餃子を投入し終えたら温度が下がるので、強火にして高温でゆでます。

再びお湯が沸き始めたら、絶えず表面がグツグツと沸き続ける火加減(中火目安)に調整し、そこから6分ほどゆでていきます。

水餃子のゆで上がりの目安は「お湯の表面に浮いてきたら」とする場合がありますが、餃子の皮を2枚使った水餃子の場合は、中心部の火の通りが不完全な場合があります。

なので、「餃子を投入後、強火に変更し、再沸騰してから6分ほど」を目安にゆでていただくと、ちょうどよい塩梅になりますよ。

※肉餡もエビ餡も同様のゆで時間でおいしく調理することができます。

4.ゆで上がった水餃子を網ですくって水気を切り、お皿に盛り付けていきます。彩りにパクチー(分量外)などを添えれば、見た目も美しくなりますよ。

これで、皮のモチモチ感と溢れる餡の旨さが特徴の水餃子の完成です!

水餃子の楽しみ方

まずは、お酢と醤油とラー油(分量外)を混ぜ合わせたタレにつけて、肉餡の水餃子からいただきます!

2枚重ねた餃子の皮の食感ですが、モチモチとした本場感のある水餃子の存在感と、つるりとしたなめらかさが際立っており、満足感のある食感になっています。

「餃子の皮は2枚重ねにしています」といわれなければ、気づく方はほぼいないのではないかと思うほどの自然な仕上がりになりますので、餃子の皮の食べ応えと肉餡のバランスを楽しんでいただければと思います。

肉餡はジューシーなお肉に刻み高菜のうま味が加わり、ぎゅっと濃い味わいを楽しむことができますよ。

水餃子の楽しみ方「ピーナッツバターダレ編」

次に、まろやかな味わいが特徴のピーナッツバターダレもご紹介していきます。

さきほどのベーシックなつけダレと異なる味わいですが、水餃子に非常に合うつけダレになりますので、味変用に作ってみてください。

材料(2〜3人前)

  • ピーナッツバター……30g
  • ポン酢……大さじ2
  • 一味唐辛子……少々

作り方は非常に簡単です。ボウルなどに材料を入れ、よく混ぜ合わせれば完成です。

炒ったピーナッツをすりつぶして塩と砂糖で味を調えてあるピーナッツバターは、適度な塩気と甘みを含み、ポン酢でのばすだけで、まろやかなコクと複雑な味わいのあるタレが完成します。

※ピーナッツバターと似た商品に、ピーナッツクリームがあります。こちらは、パンに塗りやすいように砂糖や水あめで調整されていますが、今回はピーナッツの使用量が高いピーナッツバターを選ぶようにしてみてください。

ピーナッツバターダレにつけて、エビ餡の水餃子をいただきます!

オイリーなピーナッツバターの甘みに、ポン酢の酸味が加わり、コクがあるのにクドくないつけダレになっています。プリプリしたエビの食感とうま味を感じた後に、口の中で弾けるしょうがの香りも抜群です!

2種類のタレを用意することで、味変をしながら最後まで楽しんでいただけると思います。ぜひビールなどと一緒に味わってみてくださいね。

まとめ

市販の餃子の皮を2枚重ねて作る水餃子はいかがでしたか?

本場中国の水餃子のような、餃子の皮の主張とつるりとしたなめらかさを感じつつ、2種類の個性的な餡のおいしさが楽しめるレシピになっています。

特別な調味料は特に必要なく、餃子の皮を2種類用意するだけで、水餃子がワンランク上のおいしさになります。ぜひレシピを参考に水餃子作りを楽しんでいただければと思います。

書いた人:美窪たえ

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料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。

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