パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって、今週のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)は、金融市場の期待を修正しようと望むのであれば、実際にそれができる好機になる。
パウエル議長はワシントン時間26日午前10時(日本時間同午後11時)から講演する予定で、インフレ抑制を目指し利上げを続ける決意をあらためて表明する見込み。ただ9月の利上げ幅を示唆することは恐らく控える見通しだ。
マクロポリシー・パースペクティブズの米国担当シニアエコノミスト、ローラ・ロスナーウォーバートン氏は「誰もが抱いている疑問はパウエル氏が金融状況をどの程度、綿密に管理するかだ。われわれは経済が減速の兆候を示す地点に達している」と指摘した。
その上で、「データにさらなる減速がみられず、その代わりに回復を示すなら、当局は一段と積極的に金融状況を管理する必要があるだろう」と説明した。
パウエル議長の講演はジャクソンホール会合のメインイベントになる見込み。歴代のFRB議長は世界中の政策当局者が集まる同会合を、重要政策発表の場として活用してきた。
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は27日に講演する。イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁も参加するが、ラガルドECB総裁は出席しない予定。
インフレとの闘いは終了には程遠いとする米金融当局の発言にもかかわらず、当局がやがて引き締めのペースを緩め始めるのではないかとの期待の高まりや、インフレ圧力が和らぎつつある兆候を背景に、米株価は7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以降、上昇基調にある。
だが、ナットウェスト・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、ケビン・カミンズ氏は利上げ開始が遅れたと認めたパウエル議長について、恐らく強硬路線を維持するだろうと分析する。
同氏は、議長が昨年の会合でインフレ高進は一過性の要因によるものだとの見解を表明したことを念頭に、「彼らは昨年、『一過性』として大失敗したこともあって非常に集中して取り組んでおり、自分たちにできる一つのことは政策引き締めであり、それがインフレ鈍化につながると理解している」と述べた。
原題:
Powell Has Chance to Reset Market Expectations at Jackson Hole(抜粋)
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