世の中に出回る1万円札の流通量が伸びている。昨年末時点で前年比5・3%増の約110兆円分で、10年前の1・5倍。低金利のために銀行へ預けず手元へ置く動きが広がっているとみられるが、自らの懐具合と合わない数字に感じる人も多そうだ。「福沢諭吉」はなぜ増え、どこにいる?
日本銀行の統計によると、家庭や企業に出回る紙幣・貨幣は2020年末に約123兆円分。単純計算だと国民1人平均100万円弱。うち1万円札の流通量を年末ごとに比べると、近年は2~4%台の増加だったが、昨年は15年末以来の5%超の高い伸びになった。
安倍前政権が掲げたアベノクミス以降、日銀は大胆な金融緩和を進めて世の中のお金を増やそうとしてきた。ただ、千円札は昨年末に前年比0・3%減など現金の動きはまちまちだ。日銀の担当者はこうした変動について「正確な要因の判断は難しい」という。
「1万円札の増加は世の中で不安感が高まっている象徴」とみるのは第一生命経済研究所の熊野英生氏。
昨年はコロナ禍で銀行支店の過密が問題となり、全国銀行協会は混雑緩和の協力を呼びかけた。現金を多めに手元に置いておけば、出金のために支店やATM(現金自動出入機)に出向いて感染する恐れも減る。
1万円札は最もかさばらない現…
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