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Monday, August 24, 2020

給付金10万円 全ての人に届いてこそ - 東京新聞

 新型コロナ対策で、国内の住民に一律十万円を配る特別定額給付金が申請期限を迎えている。だが住民票がないため、申請できない人たちがいる。目的は手段に勝る。政府は柔軟に対応すべきだ。

 申請期限は自治体で異なり、すでに締め切ったところもあるが、今月末の自治体が多い。総務省によると十四日現在、全国での支給済みの世帯割合は約98%に上る。

 全ての人がお金を手にする。これが政策の目的だ。「日本にお住まいの、すべての方へ」。同省のチラシにはそう記されている。十万円の重みは人によって違うだろうが、問題は最も必要とするホームレスの人びとの中に申請できない人が少なくないことだ。

 何が壁になっているのか。

 住民票である。給付対象は自治体の住民基本台帳に登録されている人たちとされた。ところが、ホームレスの中には居住実態がないとして住民登録を消除されたり、それ以前に失踪宣告を受け、死亡扱いされている人たちがいる。

 この間、支援団体や一部の自治体は総務省に住民票にこだわらない給付方法を提案してきた。例えば、住所履歴が記された戸籍の附票(ふひょう)を利用する方法もその一つだ。

 だが、総務省はかたくなだ。ネットカフェや自治体の自立支援センターでもいいから、そこで住民登録せよという。ただ、ネットカフェの利用に必要な身分証を持たない人たちがいる。センターも大部屋で、新型コロナの感染リスクから二の足を踏む人が多い。

 同省は「迅速な給付」と「二重給付の防止」には住民基本台帳を通じた方式が欠かせないとする。戸籍附票の利用も自治体間を結ぶ仕組みの構築が難しいという。

 だが、例外はすでにある。DV被害者らだ。住民票を置いて家を出た人びとについては、生活保護と同様、居住地で受け取ることを認めた。一時的な二重給付状態もやむを得ないと判断した。

 住民基本台帳は手段にすぎない。少数者の切り捨てが前提なら、それは差別だ。思い出すのは昨年十月の台風で都内の自主避難所からホームレスが排除された件だ。国会でも取り上げられ、安倍晋三首相は「全ての被災者を適切に受け入れることが望ましい」と答弁した。

 完璧な政策などない。大切なのは欠陥が分かった時点で修正することだ。日本で難民申請中の外国人らも住民票を持たない。政府は知恵を絞り、困窮に苦しむ人びとにこそ笑顔を届けてほしい。  

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