米イリノイ大学や千葉大学先進科学センターなどの国際共同研究チームは、近接した2つの光り輝くブラックホールを観測することに成功した。重力の影響で約2億年後には周りにある銀河とともに合体していく見込みだという。理論で予想されていたブラックホールが成長する姿をとらえた例は珍しい。
成果は英科学誌ネイチャーに発表した。
ブラックホールや銀河は合体を繰り返すことで成長すると考えられている。2つの近接したブラックホールを発見できれば、ブラックホールや銀河の成長過程の解明につながると注目されている。
ブラックホールは一般に光を出さないため観測が難しいが、一部のブラックホールは周囲にあるガスを吸い込む際にエネルギーを放出して明るく輝くため観測できる。ただ2つ近接していると、1つなのか2つなのかの識別が難しい。
研究チームは欧州宇宙機関(ESA)が2013年に打ち上げた宇宙望遠鏡でとらえられた天体に注目した。地球から108億光年離れた双子座の方向にある。米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡など複数の望遠鏡などで観測し、データを分析して2つのブラックホールであることを突き止めた。
観測した天体は、宇宙が誕生してから約30億年後の姿で、どちらのブラックホールも太陽の約10億倍の質量と推定している。
天体観測では21年にNASAが打ち上げたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測などによって、様々な天体の姿がより詳細に撮影されるようになった。今回のようなブラックホールのペアについても今後見つかる可能性があるという。
からの記事と詳細 ( ブラックホールのペア観測 2億年後に合体、千葉大など - 日本経済新聞 )
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