2022年12月01日04時14分
運動能力がない球形の細菌に2種類の遺伝子を導入するだけで、らせん状に変形して泳げるようになったと、大阪公立大と産業技術総合研究所の研究チームが30日付の米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。細菌や細胞の運動能力の起源を解明するのに役立つほか、マイクロサイズのロボットを動かす技術に応用できる可能性があるという。
この2種類の遺伝子は、植物や昆虫に寄生するらせん状の細菌「スピロプラズマ」の遊泳運動を担う7種類の遺伝子の一部。スピロプラズマは体全体をスクリューのように単純に回転させて進むのではなく、左巻きのらせんを前から徐々にねじって右巻きに変えた後、左巻きに戻すことを繰り返して泳ぐ。
遺伝子を導入した球形の細菌は、米国の「J・クレイグ・ベンター研究所」が2016年に自然の細菌の遺伝子を入れ替えて開発した。遺伝子数を独立して増殖できる最低限に減らし、実験に使いやすく改変してある。
大阪公立大大学院理学研究科の宮田真人教授や大学院生木山花さんらは、スピロプラズマの遊泳運動を担う7種類の遺伝子を、最初は全部導入して泳げるようになることを確認。次に種類を減らして実験した結果、動物の筋肉を構成するアクチンに似たたんぱく質を作る2種類の遺伝子があれば泳げることを発見した。
からの記事と詳細 ( 2種類の遺伝子で遊泳能力 細菌に導入実験―大阪公立大と産総研 - 時事通信ニュース )
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