米地区連銀総裁3人は10日、金融政策引き締め継続の必要性を強調しつつ、引き締めペースの減速には支持を示した。この日発表された米消費者物価指数(CPI)で伸びが市場予想以上に鈍化したことから、当局が積極的な利上げをペースダウンする時期は近づいたようにみえる。
ダラス連銀のローガン総裁はヒューストンで開かれた同連銀主催の会合で「金融・経済情勢の展開をよりきちんとした形で評価できるよう、利上げペースを緩めることが近く適切になり得ると思うが、ペース減速が一段と緩和的な政策を意味すると受け止めるべきではないとも考えている」と語った。
朝方発表された10月の米CPIは、インフレが市場の予想以上に鈍化したことを示した。ローガン総裁は「CPI統計は安心感を生む歓迎すべき材料だが、まだ先は長い」と指摘。物価上昇率が金融当局目標の2%を大幅に上回っているばかりか「総需要は供給をなおも上回り、インフレ率は再三にわたり専門家予測を上回っている」と述べた。
米CPI、総合・コアとも伸びが予想下回る-利上げ減速の余地 (3)
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は欧州経済・金融センター(EEFC)が主催した会合で、追加利上げはなおも行われると注意を促した上で「ペース減速は適切な検討事項だ」と語った。
最終的な米政策金利はどこが適正水準かはっきりせず、4.5%を上回る可能性もあるとしつつ、より慎重にその水準に行き着くのが好ましいとの見方を示した。
「そこに向かう課程では、より漸進的なアプローチを支持する。そうすれば前に進みながら正しい金利水準を見つけることができる」とし、積極的引き締めの累積的な影響を政策当局者は認識しなくてはならないと述べた。
デーリー総裁はインフレ鈍化を示した10月のCPIを歓迎するとした上で、ひと月分のデータに過ぎず、インフレとの闘いでの「勝利には程遠い」と語った。
別の会合でフィラデルフィア連銀のハーカー総裁は「これまで実施してきた引き締めの累積を踏まえると、われわれは十分に景気抑制的スタンスに近づいており、今後数カ月で利上げのペースは減速すると予想している」と発言。
その上で「ただ明確にしておきたいのは、50bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)の利上げはなお大幅だということだ」とした。ハーカー総裁の講演テキストにはCPIへの言及はない。
原題: Fed Officials See Grounds for Soon Slowing Rate-Hike Pace (3)(抜粋)
Fed’s Daly Says CPI Report Good News But It Just One Data Point(抜粋)
Fed’s Harker Expects Pace of Rate Hikes to Slow in Months Ahead(抜粋)
(デーリー総裁の発言を追加し更新します)
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