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2022年の金融市場はここまで、ウォール街の大方の予想を裏切る形となっている。 パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら米金融当局者のインフレ予想も外れた。
昨年12月時点でJPモルガン・チェースなど世界有数の投資銀行のストラテジストは、2022年にS&P500種株価指数が5%上昇すると予想していた。エコノミストの米10年債利回りの年末予想は平均2%だった。ゴールドマン・サックス・グループはビットコインの 10万ドル到達も 実現可能だとしていた。
ビットコインが一時1万8000ドル割れ、過去最長の12日続落
しかし実際には、過去半年で金融市場には前例のない衝撃が相次ぎ、株式の強気相場には終止符が打たれ、安全資産である国債などは負のスパイラルに陥った。S&P500種は年初来で23%安となり、米10年債利回りは3.23%付近まで上がり、ビットコインは時価総額の半分超を失った。
市場は「すべて買う」から「すべて売る」に急速に変化し、数年続いた「TINA(There Is No Alternative、他の選択肢はない)」としての株式の位置付けも過去のものとなっている。abrdn(旧スタンダード・ライフ・アバディーン)の投資ディレクター、ジェームズ・アシー氏は「しばらくの間、TINAは完全に終わりだ」と指摘。「インフレ率が8%であれば実質ベースで投資妙味はほとんどない」と語った。
年末までに米株が持ち直すとの見方もなおある。最新のブルームバーグ調査では、ストラテジストのS&P500種の年末予想平均は17日終値から22%の上昇だ。
確かに、ロシアのウクライナ侵攻がいつ終わるか、中国の厳しい新型コロナウイルス対策によるサプライチェーンの目詰まりがいつ解消するかは誰にも分からない。物価動向や米金融政策引き締めの経路も不透明だ。
しかし、HSBCグローバルリサーチのマルチアセットチーフストラテジスト、マックス・ケトナー氏は、株式は他の資産クラスと比較して景気後退(リセッション)を十分に織り込んでいないと指摘。「全体として見れば、これは夏の間にリスク資産が一段と下がることを意味する」と述べた。
S&P500種は2000年から02年には51%下落し、世界金融危機時には58%下げた。モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、20%余り下げた米株だが、企業利益を巡るリスクをまだ完全には 織り込んでいないとみている。同氏は昨年12月時点で数少ない弱気派の1人だった。
原題:
Nearly All of Wall Street – and the Fed – Botched Calls for 2022(抜粋)
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