(CNN) 地球から5500光年離れた木星サイズの惑星「ケプラー1708b」の周回軌道で、衛星の可能性がある巨大天体が検出されたことが分かった。太陽系外衛星の候補となる天体の発見は2例目。
この発見について詳述した論文は13日の科学誌ネイチャー・アストロノミーに発表された。
新たに検出された天体は地球の2.6倍の大きさを持つ。太陽系ではこのような大型衛星は類例がなく、月は地球の3.7分の1の大きさしかない。
米コロンビア大学のデビッド・キッピング助教(天文学)らのチームが系外衛星候補を見つけるのは2回目だ。ひとつ目は巨大系外惑星「ケプラー1625b」を周回する海王星サイズの衛星で、2018年に発見した。
キッピング氏は声明で「天文学者はこれまでに1万個を超える系外惑星候補を発見しているが、系外衛星はこれよりはるかに難度が高い」「未知の領域といえる」と指摘した。
衛星の形成過程や生命を支える環境の有無、惑星のハビタビリティー(居住可能性)との関係などを理解できれば、惑星系の成り立ちについてより大きな理解が得られる可能性がある。
ただ、キッピング氏らは依然、ひとつ目の候補が本当に系外衛星か確認を進めている状況で、今回の発見についても確認は難航しそうだ。
これまでに4000個あまりの系外惑星が確認されているが、発見は簡単ではなかった。系外惑星の多くは、惑星が恒星の前を横切る際の減光を探す「トランジット法」で検出される。衛星は惑星より小さく減光の度合いも少ないことから、発見はさらに難しくなる。
2つ目の衛星候補を見つけるため、キッピング氏らは既に運用が終了したケプラー宇宙望遠鏡のデータを使用して、特に温度の低い巨大ガス系外惑星を調査した。この基準を用いたのは、太陽系では木星や土星といった巨大ガス惑星がもっとも多く衛星を持つためだ。
調査対象となった惑星70個のうち、衛星とみられる信号を伴っていたのは1個だけ。これが衛星以外のものである可能性は1%にとどまるという。
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