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Friday, January 27, 2023

的川博士の銀河教室:的川博士の銀河教室 730 若田光一さん、初の船外活動 - 毎日新聞

ISSの太陽電池台を取り付け

 日本の若田光一(わかたこういち)宇宙飛行士は、昨年10月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在(たいざい)しています。これが5度目の宇宙飛行です。およそ半年間の長期滞在をして、宇宙でのこれからの国際協力で目指すことになっている、月や火星の探査を見据(みす)えた実験に挑(いど)んでいるのです。

 その若田さんが、さる1月20日夜から21日朝にかけて自身としては初めての船外活動を実施(じっし)しました。ISSの中央部のハッチ(出入り口)から宇宙空間に出た若田さん(写真1)は、手すりを伝って慎重(しんちょう)に船外を移動し、米国のニコール・マン宇宙飛行士とペアを組んで(写真2)、新型の太陽電池を設置する台を取り付ける任務などを無事完了(かんりょう)しました。船外の作業は長時間かかり、若田さんがハッチを出てから戻(もど)るまでの時間は7時間21分に及(およ)びました。

 作業を終え、ISS内部に戻る直前(写真3)、若田さんは「ご支援(しえん)いただいたみなさん、ありがとうございました。明るく輝(かがや)いているお月さまがとても印象的でした。新たな宇宙探査に私たちを導いてくれているみたいでした」と語りました。

 ISSは、宇宙飛行士たちの日常生活や実験などに必要なエネルギーを供給するために、8カ所に太陽電池パネルを装備しています。それらは2000年から09年にかけて取り付けたもので、年月とともに老朽化(ろうきゅうか)が進んでいます。ISSは30年まで使用しようということになったので、エネルギーの安定供給を確保するために、今年の6月ごろまでには、新型の太陽電池に取(と)り換(か)えることが期待されています。

 若田さんは、これまで4度も宇宙に行ったのに、船外活動の経験がなかったので、いきなり7時間以上も宇宙空間に出て働き続けるのは大変だっただろうと推察します。私は米航空宇宙局(NASA)が配信した映像をワクワクして見ていました。太ももの部分に赤いラインが入った船外活動服姿の若田さんは、電動の工具を使って試行錯誤(しこうさくご)しながら、マン飛行士と一緒(いっしょ)に太陽電池の台の取り付けを懸命(けんめい)にやっていて、何だかうれしくなりました。

 作業を終了(しゅうりょう)して、エアロックをへてISSの内部に無事に戻(もど)った若田さんが、同僚(どうりょう)にヘルメットを外してもらった瞬間(しゅんかん)に、ちょっと「きつかったなあ……」という表情を見せ(写真4)、その直後に浮(う)かべた安堵(あんど)の笑みが、とってもすてきでした。

 米国に立つ前に電話で話した際、「今度は船外活動をする姿が見たいなあ」と言ったら、「ええ、できることなら私も満喫(まんきつ)したいです」と明るい声で話していた若田さん。帰国したらいろいろとその経験を聞かせてくれることでしょう。楽しみですね。でもその前に、残りの数多くの任務を果たして、無事に地上に戻ってくれることを祈(いの)っています。


的川泰宣(まとがわやすのり)さん

 長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


日本宇宙少年団(YAC)

 年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac-j.or.jp


 「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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