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Monday, October 4, 2021

4種類のインターフェースで外付けドライブが発売された「ORB」:スイートメモリーズ File071 - Engadget日本版

[名称] ORB
[種類] HDD
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 137×167×45mm(実測)
[容量] 2.2GB
[接続] パラレル、Ultra SCSI、USB、IEEE1394(FireWire)
[電源] 7.5W、ACアダプター
[登場年] 1999年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「ORB」は、Castlewood Systems社が開発したリムーバブルHDD。カートリッジは以前紹介しましたが、今回はドライブとなります。

この製品が登場した1999年は、リムーバブルHDDとしては、Iomega社の「Jaz」SyQuest社の「SparQ」などがありましたが、SyQuest社は1998年に倒産。Iomega社は1998年に2GBモデルのJazを投入するも新規ユーザー開拓が難しく、少なくとも個人用途のPC向けとしては、あまり普及しませんでした。

この状況を見ると、今更リムーバブルHDD市場に新規参入するのは厳しい……と考えるのが普通だとは思いますが、元SyQuest社のSyed Iftikar氏が立ち上げたCastlewood Systems社は、あえてORBを投入してきました。活路はビデオレコーダー向けの録画用メディアとしての利用です。もしうまくいけばPC向けより市場が大きく、しかも需要が見込めるため、一発逆転も夢ではありません。

三洋やAIWA、Philipsといった企業と製品化の話も進んでいたようですが、実際に製品として最初に発売されたのは、PC向けのドライブでした。

最初に発売されたのは、IDE接続の内蔵ドライブと、パラレル接続の外付けドライブ。速度重視なら内蔵、手軽さ重視なら外付けといった布陣です。少し遅れてUltra SCSIモデル(内蔵、外付け)、そしてUSB外付けモデルが発売されました。

ただし、このUSB外付けモデルは、Ultra SCSIモデルにUSB変換アダプターを添付しただけの製品でした。ちなみにUSBといってもUSB 1.1ですから、速度はパラレル接続とさほど変わりません。USBネイティブだとただの遅いドライブですが、変換アダプターでの対応ならUltra SCSI接続でも使えますので、むしろ親切ですね。

最後に登場したのは、IEEE1394(FireWire)接続。最初は内蔵ドライブを外付けケースに入れたような製品でしたが、後にUSB接続と同様、変換アダプター添付へと変更されました。

このドライブは、(たぶん)USBモデル。パラレルやUltra SCSIモデルは本体色がブラックですが、USBモデルは中が透けて見えるグリーン系のカラーとなっていました。

カートリッジの挿入は前面から。中央下にあるボタンを押すとカバーがガバッと開きますので、そこから挿しこみます。ちなみにこの開閉はソレノイドか何かで行われているようで、開けっ放しで電源を切っても勝手に閉まります。

カバーを開いてのぞいてみると、奥の方にHDDと同様のヘッドが見えます。リムーバブルHDDですから当然ですけど……。ちなみにカバーの周囲にはパッキンがあり、開けているとき以外はホコリが入らないようになっていました。

ORBはCastlewood Systems社としては初の製品ですが、長年リムーバブルHDDを扱ってきたSyed Iftikar氏の経験が活きていることは間違いないでしょう。

純正のUSB変換アダプターは手に入りませんでしたが、替わりに手持ちの「USB2-SC2」(アイ・オー・データ機器)を使って、Windows 10のPCにUSBで接続してみました。

本体は汎用の「USB 大容量記憶装置」として認識。カートリッジを挿しこむとちゃんと2.2GB(1.98GB)のドライブとして利用可能になりました。容量もさることながら、ファイルシステムがFATというあたり、少々懐かしさがあります。

removable media

ちなみに、本体がすりガラス程度に透けていることもあり、ヘッドの動きが何となく分かるのが面白いところ。最初のカートリッジ認識時にヘッドが細かく動き、リトライを繰り返しているのではないか、という動作になっていたのは心臓に悪いですが。

ORBの不運は、ドライブに製造不良が起こったことでしょう。詳細はComputer History Museumのインタビュー記事で公開されていますが、ザックリ要約すると、「モーターを取り付けるのに使った接着剤が完全に硬化しておらず、使用中に蒸発してディスクに付着。表面がコーティングされることで、データが読み書きできなくなる」というもの。

最初は問題なく使えるのですが、数日で読み書きできなくなります。別のカートリッジを入れると使えるので、カートリッジの不良かと思いきや、その別のカートリッジも数日で読み書きできなくなるという、なかなか厄介な不良でした。

この問題が発覚したのが、Philips向けの8万台のドライブを製造、納品している最中だというのもタイミングが悪いとしか言いようがありません。もっと早くわかって対策ができていれば、PhilipsからORB搭載のビデオレコーダーが登場していた可能性もありました。

とはいえ、HDDの記録密度がさらに高まると、振動やホコリの影響などの対策が難しくなります。結局、近い将来容量増加についていけず、遅かれ早かれリムーバブルHDDの限界が来ていたのは間違いないでしょう。ある意味、ちょうどよかったのかもしれません。

連載:スイートメモリーズ

参考:

Castlewood Systems Inc., WayBack Machine(2001年7月)
Castlewood Systems Inc., WayBack Machine(2002年11月)
Oral History of Syed Iftikar, Computer History Museum
2.2GBのリムーバブルドライブ「ORB」国内発売, PC Watch, Impress
新日エレクトロニクス, Wayback Machine
Castlewood Orb Drive, Wikipedia

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