病気療養のため任期途中で退任した経団連の前の会長で、日立製作所の社長や会長を歴任した中西宏明氏が東京都内の病院で亡くなりました。75歳でした。
中西氏は昭和45年に日立製作所に入社し、北米やヨーロッパの代表などを務めたあと、平成22年に社長に就任し、平成26年からことし5月まで、会長を務めました。
経営トップとして、日本の製造業としては当時、過去最大の7800億円を超える巨額の赤字に陥った日立の再建に手腕を発揮し、「選択と集中」を進めて業績のV字回復を果たしました。
3年前の平成30年5月に経団連の会長に就任し、これまで経団連が策定していた就職活動のルールを廃止したり、新卒一括採用や終身雇用などの「日本型雇用システム」の見直しを呼びかけたりました。
また、政府の経済財政諮問会議や気候変動対策の推進のための有識者会議のメンバーなども歴任し、エネルギー政策やデジタル社会の実現に向けた提言を積極的に発信しました。
中西氏は経団連会長として在任中のおととし、体調を崩して入院し、検査の結果、リンパ腫であることを明らかにしました。
その後、退院して業務に復帰したものの、去年7月再び入院し、リンパ腫が再発したと発表していました。
病状はいったん落ち着きましたが、ことし4月、リンパ腫の再々発の可能性があることが分かり、5月、任期途中で経団連の会長の退任を表明し、日立の会長の職からも退いていました。
関係者によりますと、中西氏は東京都内の病院で亡くなりました。
75歳でした。
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