厚生労働省は16日、新型コロナウイルス感染者と接触した可能性を知らせるはずのスマートフォン用アプリ「COCOA(ココア)」で接触通知が届かない不具合があった問題について、検証報告書を公表した。同省担当者のアプリに関する知識不足などで全体を管理できず、適切なテストの実施や外部の指摘に対応できなかったことなどが長期の不具合の放置を招いたと総括した。
田村厚労相は同日の閣議後記者会見で、「発注者としてプロジェクトを適切に管理していなかったことを非常に反省している」と陳謝。同省は同日、管理責任者として樽見英樹次官と正林督章健康局長を厳重注意処分とした。
アプリは昨年6月に導入。利用者が自分の陽性が判明した場合に登録すると、その利用者と「14日以内に、1メートル以内に15分以上いた」別の利用者に対し、無線通信を利用して接触を通知する仕組み。今年2月の問題発覚後、同省の調査チームが担当職員や委託業者ら33人から聞き取りを行った。
報告書によると、昨年9月にアプリを改修した際、接触判定に使う数値の一つを、本来はグーグルとアップルが提供するスマホの基本ソフト(OS)ごとに変えるべきだったが、同じ数値を使用。この結果、グーグルのOS「アンドロイド」では、どんな状態でも「接触がなかった」と判定されてしまう事態に陥った。
同10月にアプリ動作確認のためのテスト環境が整ったが、同省担当者は委託先の業者任せにし、適切にテストが実施されなかった。さらに同11月以降、外部サイトやSNS上で不具合が指摘されたが、業者間の責任や役割分担が不明確で対処されず、結果的に同省は今年1月になるまで問題を放置したという。
アプリの開発や運用、管理は委託業者とその下請けなど計6社が担った。報告書ではこうした手法について「早期開発のため、得意分野をいかしながら進める必要があり、再委託などは一概に否定できない」としながらも、「厚労省職員のアプリに関する専門知識が不足し、プロジェクト全体に目が行き届いていなかった」と結論づけた。
問題を受け、同省は、アプリの動作確認の環境整備や、全体を管理する体制の強化を進め、外部の有識者や内閣官房のIT総合戦略室との連携も図るなどの再発防止策を示した。
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