日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた販売台数で、スズキが2020年の国内の新車販売でホンダを抜き、初めて2位になった。軽自動車と排気量660cc超の登録車の合計だ。
正確には記録のある1993年以来のことだが、かつてトヨタ自動車と日産自動車は軽を販売していない時代があり、単純な比較は難しかった。スズキは軽の販売が8割を占めるとはいえ、かつての横綱・日産、ホンダを抑え、2位となるのは快挙といえる。
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好調だったスズキの「ハスラー」
高まる「軽」依存
軽の国内新車販売はダイハツ工業が首位で、スズキは2位だった。2020年はコロナ禍の影響で各メーカーとも前年比で新車販売の落ち込みが目立ったが、スズキは軽の「ハスラー」が好調だったほか、「スイフト」など登録車が底上げする形で、軽との合計でホンダを抜いた。
軽と登録車の合計で首位はトヨタ自動車の145万台で、2位はスズキの63万台だった。首位と2位はダブルスコアの大差となり、2020年もトヨタの圧勝だった。
3位はホンダの61万台。昨年は2位だったが、僅差でスズキに逆転を許した。4位はダイハツの59万台、5位は日産の46万台。6位以下はマツダの17万台、SUBARU(スバル)の10万台、三菱自動車の7万台と続いた。
軽だけでは、首位はダイハツの53万台、2位がスズキの52万台、3位はホンダの32万台、4位は日産の20万台。5位以下はいずれもOEM(相手先ブランドの生産)で、マツダ、トヨタ、スバルが2~3万台で続いた。
スズキは軽と登録車の合計で初の2位となったが、登録車は10万台で5位にとどまり、軽の販売が8割を占めた。ホンダも登録車29万台に対して軽は32万台と、近年は軽への依存度を高めている。
かつて軽を販売していなかった日産は、三菱自との共同開発を進めた結果、登録車の26万台に対して軽が20万台と販売台数が拮抗してきている。日本の自動車市場全体でも軽は4割近くを占めており、ホンダ、日産とも売れ筋の軽に注力しているのは明らかだ。
ダイハツは軽の53万台に対して登録車は5万台にとどまり、約9割を軽が占める。これはトヨタグループの中で、子会社のダイハツが軽と小型車の開発・生産を担っているからで、トヨタに接近するスズキとの関係は微妙だ。
軽の自社開発・生産から撤退して久しいマツダとスバルは登録車が中心となり、上位メーカーに比べると軽が少ない分、国内販売全体の数字は振るわない。
マツダ、スバルとも国内生産の割合が高いメーカーだが、その大半は輸出向けで、マツダは欧州、スバルは北米市場への依存が高い。スバルの場合、国内販売は世界販売の1割程度に過ぎない。
2020年国内販売の車種別ランキングは、1位がホンダの「N-BOX」となり、4年連続。2位はトヨタの「ヤリス」、3位はスズキの「スペーシア」、4位はダイハツの「タント」、5位はトヨタの「ライズ」、6位はトヨタの「カローラ」、7位はダイハツの「ムーヴ」、8位はホンダの「フィット」、9位はトヨタの「アルファード」、10位はトヨタの「ルーミー」だった。
トップ10のうち、軽は4つ、メーカー別ではトヨタが5つと半数を占めた。日産はトップ10に1台もランク入りしなかった。
販売台数でみる限り、国内市場の軽依存、トヨタ独走は変わらなかった。2021年はそんな流れを変える革命的な1台がトヨタ以外のメーカーから登場しないか、注目したい。
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