お堅い経済分析で知られるニッセイ基礎研究所から届いたリポートに、記者(31)の目は釘付けになった。「『ぴえん』とは何だったのか」。ことし注目の若者言葉を調べた広瀬涼研究員に聞くと、SNSによる流行の生まれ方が見えてきました。
――辞書を編集する専門家らが選んだ「今年の新語」の2020年の大賞に「ぴえん」が選ばれました。「ぴえん」とは、そもそもどんな言葉なのでしょうか。
拡大する「ぴえん」は今年の新語2020の大賞に選ばれた=2020年11月30日、東京都渋谷区、山本亮介撮影
「泣くことの擬態語に『びえーん』や『ぴいぴい』といった言葉があります。『ぴえん』はそのような擬態語が派生したものだと考えています。以前からマンガなどで『ぴえーん』に近い言葉は使われていましたが、これは泣きわめくさまの擬態語でした。しかし、現代の『ぴえん』は泣き出す寸前という感情を表しており、うれしさや悲しさを問わず、かなり多様な意味が含まれています」
――多様な意味の「ぴえん」が若者に広がったのは、なぜでしょうか?
「背景には、大きく潤んだ瞳と…
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