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Thursday, August 6, 2020

【内田浩司 当てちゃる券】「ドリンクを配る創成期から続く慣習 - ZAKZAK

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【当てちゃる券】「ドリンクを配る創成期から続く慣習

 北九州も梅雨が終わった途端、灼熱(しゃくねつ)の太陽が幅を利かせ、昼間はとても外出できない。愛犬との散歩は早朝に変更した。

 ナイター競輪では日差しこそないが、強烈な蒸し暑さに包まれる。噴き出す汗を拭いながら、レースの直後に飲む冷たい飲み物は乾いた身体に染み込んでいく。

 実は競輪界には創成期から続く慣習がある。

 1着をとった選手がレースで同乗した選手全員にドリンクを配るのだ。勝利を確認した同郷の選手が急いで売店に走り、敢闘門でペットボトルの入った袋を手渡す。1着選手は同乗した選手一人一人に「ありがとうございました」と言いながら、ドリンク(現在ではミネラルウオーターがほとんど)を配る。

 これには以前、賛否もあった。基本的に物品の授受は禁止されているからだ。しかし、どんなに激しいレースだったとしても、終わればノーサイド。命懸けで走った者同士だけが“共有する気持ち”がこの伝統ある慣例を何十年も継続させているのだ。

 例外もあった。

 現在は玉野競輪の解説者をしている西谷康彦さん(40期・引退)は勝利者から渡されたドリンクは飲まずに、真夏でも後輩に用意させた熱いブラックコーヒーを敢闘門でフーフーしながらすすっていた。

 「先輩それってギャグとちゃいますか?」といじると「じゃかましいドアホッ! ちゃんと理由があんねん」と笑っていたが、その効能はいまだ謎のままだ。

 川崎ナイター最終日。S級決勝(9R)はオールスター競輪(GI)を目前に、小松崎が調子を上げてきた。逃げる坂本を射程圏から必殺のまくりを決める。〔1〕⇔〔4〕-〔2〕〔3〕〔5〕。

 穴は単騎・大石剣士。2日間の勝ち方はホンモノ。直線突っ込む〔3〕⇔〔1〕-〔2〕〔4〕〔5〕。(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。

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