【ワシントン=共同】動く物体から時空間のゆがみが光速で波のように伝わっていく「重力波」が、宇宙のあらゆる方向から来ている証拠を観測したと、米国などのチームが29日までに発表した。熊本大とインド、欧州など別のチームも独立に同様の結果を発表、宇宙を満たす「背景重力波」の初の成果となった。
互いを周回する超巨大ブラックホールのペアが発生源とみられる。質量は太陽の数百万〜数十億倍と宇宙で最も存在感のある天体で、数や動きなどを知る手掛かりになりそうだ。各チームのデータを統合解析し、観測結果の検証や発生源の特定を目指す動きもある。
重力波は1916年にアインシュタインが存在を予言し、2015年に米国を中心とした国際チーム「LIGO(ライゴ)」が初めて直接観測した。この時は2つのブラックホール同士が合体した際に出た波を捉えた。
今回は、海に浮かべた多数のブイの動きから波の形を描き出すような戦略で観測。高速回転しながら極めて正確な周期で電波を出す天体「パルサー」をブイに見立てた。
全天に散らばった68個のパルサーの最長15年にわたる観測データを解析し、電波が届くタイミングが予測よりわずかに早まったり遅れたりする現象を特定。重力波が通過し、地球とパルサーの間の空間が伸縮した証拠だと結論づけた。波長は9兆〜90兆キロにも及んだ。熊本大が参加するチームは最長25年分のパルサー25個のデータを調べた。
発生源とみられる超巨大ブラックホールは太陽系がある天の川銀河を含むさまざまな銀河の中心にあるとされる。銀河同士が衝突するとブラックホールも互いに周回しながら接近、いずれ合体すると考えられている。
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