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Monday, April 24, 2023

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2種類の葉で包む宝塚のユニークちまき、文化庁「100年フード」に 江戸時代から独自製法を継承

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更新日:2023年04月24日

  • 文化庁の「100年フード」に認定された「西谷地区のちまき」(宝塚市提供)

  • 米粉を練って団子状にした餅(宝塚市提供)

 江戸時代から兵庫県宝塚市北部の西谷地区に伝わり、市無形民俗文化財に指定されている「ちまき」が、文化庁の伝統郷土食「100年フード」に認定された。ちまきは餅をササなど1種類の葉でまいて蒸すことが多いが、同地区ではナラガシワとヨシの2種類の葉で包み、全国的に珍しいという。伝統的な作り方を知る住民が減少する中、認定を弾みに郷土の文化を後世につないでいく。(西尾和高)

 100年フードの認定は2021年、文化庁が地域の伝統的な食文化を「100年続く食文化」として継承するために始めた。年代別に「伝統」「近代」「未来」の3部門がある。認定されるとロゴを使ってPRしたり販売したりできる。
 初年度は全国で131件、22年度は70件が選ばれた。県内からは伝統部門で選ばれた宝塚市西谷地区の「ちまき」を含め、「出石皿そば」「明石焼」など8件が認定されている。
 西谷地区では、ナラガシワが成長して葉が柔らかくなる6月ごろ、「端午節」の旧暦5月5日に合わせて「ちまき」をこしらえる習慣がある。米粉に湯を加えてこね、団子状にしてナラガシワの葉に包んだ後、さらにヨシの葉でしっかりとくるみ、鍋の中でゆでて出来上がる。
 江戸-明治時代、ちまきは住民にとってぜいたく品だったため、「丁寧に心を込めて作る」という思いから2種類の葉で巻くようになったとされる。昭和初期までは猪名川上流域の猪名川町北部と武庫川中流域の三田市などでも広く作られていたとみられるが、現在ではほとんど見られなくなったという。西谷地区では今も、端午の節句などのお供え物や贈答品として地域に受け継がれている。
 文化庁は「地域の風土や歴史、風習の中で創意工夫され、世代を超えて育まれている」などと評価。西谷ちまき保存会の仲清人副会長(73)は「伝統の食文化として認定され、本当にうれしい。これからも歴史ある地域の食べ物をしっかりと守り、次世代の子どもたちに伝えていきたい」と話す。

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