【これからの見通し】ドル高の流れを維持も、目先の決定打に欠ける きょうは米労働生産性
昨日の海外市場では、なんとかドル高の流れが維持されている。米経済指標に神経質に反応するパターンが連日みられている。米ISM製造業景気指数が前回から上昇したことを受けて、米10年債利回りが上昇。ドル高調整に押されていたドル指数は再び10日移動平均線を上回った。
今週は月替わりの週となっているが、週末には米雇用統計は発表されない。次週10日の発表予定だ。やや決定打に欠ける1週間となっている。そのなかで、きょうは週次の米新規失業保険申請件数、第4四半期の米非農業部門労働生産性指数・確報値などが発表される。市場がインフレ動向のカギとして賃金に注目するなかで、単位労働費用の動向が注目される。今回の確報値では前期比+1.6%と予想されており、前期の+1.1%からの上昇が見込まれている。予想数値との乖離度合いにドル相場が反応しそうだ。
ロンドン時間には2月のユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)が発表される。市場予想は前年比+8.3%(前回+8.6%)、コア前年比+5.3%(前回+5.3%)となっている。ただ、直近の欧州各国のインフレ指標がコア指数を中心に上昇傾向を示しており、上振れには注意しておきたい。昨日はタカ派で知られるナーゲル独連銀総裁がインフレ圧力の高止まり・長期化について警戒感を示していた。短期金融市場ではECBのターミナルレート予想が4%に上昇した。
ECBと比較すると英中銀のベイリー総裁は、それほど追加利上げについてこだわってはいないようだった。もちろん、インフレ抑制姿勢は示しているものの、これまでに蓄積した利上げ効果の見極めの必要性が示唆された。市場は英欧の中銀金融政策の差異を感じ取ってユーロ買い・ポンド売りを進めた経緯があった。きょうはピル英中銀チーフエコノミストが今年の経済見通しについて講演を行う予定。
その他の発言イベント関連では、シュナーベルECB理事、テンレイロ英中銀委員、ウォラーFRB理事、などの講演も予定されている。英中銀調査が企業インフレ期待を公表、ECB議事録(2月2日開催分)の公表が予定されている。ロンドン時間を中心に英欧金融当局のインフレ対応の温度を推し量る展開となりそうだ。
米主要企業決算では、ブロードコム、クローガー、ベストバイ、メーシーズ、ノードストロムなどが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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