朝の外国為替市場では円相場が1ドル=142円台前半で推移している。21日の取引で中国の新型コロナ感染拡大を巡る懸念からリスク回避のドル買いが進行。23日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を控えて、米金融当局者の利上げ継続姿勢も意識されやすく、円は約1週間ぶりの安値水準となっている。
一方、23日は日本が祝日、24日は米感謝祭で米国市場が休場となるため、一方向に持ち高を傾けにくく、積極的に円の下値を売る動きは限られている。チャート上では米消費者物価指数(CPI)を受けて円高が進んだ後の11日安値142円48銭が目先のポイントとなっている。
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三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの土井健太郎主任調査役は、米金融当局者のタカ派発言で米金利が上がってくる中で、ドル・円は金利対比でややドル安・円高水準で推移していたため、「それが中国のコロナ感染深刻化を契機にリスクオフ的な動きの中で巻き戻されたイメージ」と説明。目先は米CPI後の安値を抜けるかどうか次第で「やや方向感に欠く動きになるのではないか」と話す。
21日の取引では中国株と香港株、中国人民元がいずれも下落。中国で新型コロナウイルス感染による死者が数カ月ぶりに報告されたほか、一部地域で制限措置が再び強化され、楽観的な見方が後退した。欧米株も下落し、外国為替市場ではリスク回避の動きからドルが主要10通貨全てに対して下落した。
一方、米国では21日も金融当局者の発言が続いた。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、インフレ鈍化に向けて一段の利上げを進める中、金融政策の効果が経済に行き渡るには時間差が伴うことに当局者らは留意する必要があるとし、政策金利が少なくとも5%に達するとの見方もあらためて示した。また、クリーブランド連銀のメスター総裁は12月のFOMC会合で、利上げのペースを落とすことに全く異存はないと語った。
22日にはクリーブランド、セントルイス、カンザスシティー連銀の総裁が発言する。また、23日には11月のFOMC議事要旨が公表される。同会合では4会合連続となる75ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は政策金利のピークが想定より高くなる可能性があるとした一方、近く利上げ幅が縮小することもあり得るとの 認識を示していた。
土井氏は、今週は感謝祭で米国市場は流動性が薄くなりそうで、予想外の動きには注意しつつ、米金利は安定してきているため、ここからさらにドル高・円安が進むほどの材料はないと指摘。半面、金利差からは円売りがしやすいとし、米CPI後の安値を抜ければもう少し円の下値を試すし、「そこまでいかなければまた141円台に戻るような形になる」とみている。
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