本バージョンはWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択)版で,新機能の搭載や複数の改良を含むドライバだ。
Adrenalin 22.7.1で目玉となるのは,「AMD Noise Suppression」(以下,
NVIDIAの動画配信者向けソフトウェア「NVIDIA Broadcast」に組み込まれたノイズ除去機能「RTX Voice」のRadeon版といったところか。
AMDは,Noise Suppressionの設定方法や使い方を解説した動画を用意している。興味があるゲーマーは,チェックしてみるといいだろう。
日本語版のAdrenalin 22.7.1では,「設定」メニューにある「オーディオおよびビデオ」の項目に,Noise Suppressionの有効/無効を切り替えるスライドスイッチがある。これをオンにして,入力に「マイク」を選ぶ。続いて,ゲームやチャットソフトといったアプリ側の設定で,オーディオソースとして「AMD Streaming Audio Device」を選択すると,Noise Suppressionが利用できる仕組みだ。
Adrenalin 22.7.1では,OpenGLへの最適化が行われているのも見どころの1つで,OpenGLを利用するゲームにおいて,前バージョンの「Radeon Software Adrenalin 22.2.1」と比べて,大幅な性能向上が得られるという。たとえば,AMDのブログによると「Minecraft」の場合,フレームレートが1.9倍前後と大きく伸びている。
また,ゲームタイトルを問わずに利用できるドライバレベルの超解像技術「Radeon Super Resolution」(以下,RSR)が,「Radeon RX 5000M」シリーズ以降のノートPC向けGPUに対応した。さらに,ボーダーレスウインドウモードのフルスクリーン表示でもRSRが利用可能となったそうだ。
このほかに,ゲームのフレームレートを向上させる「Radeon Boost」に,「VALORANT」「ELDEN RING」「バイオハザード ヴィレッジ」といった人気タイトルが対応したのもポイントだ。これらのタイトルをプレイしているRadeonユーザーには朗報だろう。
AMDは,ゲーマーに対してOptional版ドライバの導入を推奨しているので,対象のGPUやAPUを使っているのであれば導入してみるといいだろう。
→AMDのドライバダウンロードページ
https://www.amd.com/ja/support
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
英文のリリースノートから,新機能を含めたポイントをまとめておこう。
●Adrenalin 22.7.1の対応GPU
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon 600シリーズ(OEM向け)
●Adrenalin 22.7.1の対応APU
- Ryzen 6000シリーズ
- Ryzen 5000Gシリーズ,Ryzen PRO 5000シリーズ
- Ryzen 4000Gシリーズ,Ryzen PRO 4000シリーズ
- Ryzen 3000シリーズ,Ryzen PRO 3000シリーズ
- Ryzen 2000シリーズ,Ryzen PRO 2000シリーズ
- Athlon PRO 200GEシリーズ
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics
- Athlon Mobile Processors with Radeon Vega Graphics
- Ryzen PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics
- Athlon PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics
- Radeon 600シリーズ(Ryzen 6000 APU)
●Adrenalin 22.7.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 22.6.1)
- Display Driver Version:22.20.15.01-220725a-381
283E - AMD - Soft wa re - Ad rena lin - Edi tion ( ← 22 . 10 . 23 . 01 - 220 622a - 380 677C - AMD - So ft wa re - Ad re na lin - Edi tion) - Radeon Settings:2022.0725.1438.1936
(← 20 22 . 06 22 . 04 55 . 19 29) - 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01523(←9.14.10.01521)
- OpenGL:22.07.Beta Release(←29.20.11000.14800)※
- OpenCL:31.0.12015.1008(←30.0.21023.1015)
- AMD Windows Driver:31.0.12015.1008
(← 30 . 0 . 210 23 . 10 15) - Audio Driver:10.0.1.24(←10.0.1.23)
- Vulkan Driver:2.0.233(←2.0.226)
- Vulkan API:1.3.217(←1.3.212) ※:バージョン番号が先祖返りしているように見える。詳細は不明だが,Beta Releaseとなっているので,命名規則の変更やベースとなるコードが変わった可能性がある。
●Adrenalin 22.7.1おける最適化
- OpenGLに最適化して,MinecraftといったOpenGL対応タイトルの性能が向上
●Adrenalin 22.7.1における新要素
- Noise Suppressionを搭載
- Radeon Boostが「VALORANT」「ELDEN RING」「バイオハザード ヴィレッジ」に対応
- Windows 11 Release 22H2に対応
- Microsoft Agility SDK(※DirectX 12 Ultimate向けSDK)Release 1.602のマイナーな新機能に対応
- Microsoft Agility SDK Release 1.606に含まれるMicrosoft Shader Model 6.7に対応
- RSRがRadeon RX 5000M/6000Mに対応
- RSRがボーダーレスウインドウモードのフルスクリーン表示
- 新たなVulkan拡張に対応。詳細は関連リンク先での公開を予定(※本稿掲載時点では未公開)
●Adrenalin 22.7.1で解決した問題
- Radeon RX 6800など一部のAMD製グラフィックス製品で,OpenCLを使用する「Folding@home」の性能が想定より低いことのあった問題
- 「GPUの電圧低下」設定がZero RPM(※低負荷時にファンの回転を止める機能)を無効化してしまうことのあった問題
- 「Hitman 3」をフルスクリーン排他モード(※要はフルスクリーンモードのこと)に設定してウインドウを高速に切り替えると,ゲームが固まることのあった問題
- Radeon RX 6900 XTなど一部のAMD製グラフィックス製品で,Webブラウザのビデオアップスケーリングがボケてしまうことのあった問題
- 拡張ディスプレイ側で動画再生を行うと,Enhanced Syncが15fpsに固定されてしまうことのあった問題
●Adrenalin 22.7.1における既知の問題
- Radeon RX 6900 XTなど一部のAMDグラフィックス製品で,「Call of Duty: Warzone」の「Caldera」マップをプレイすると,画面のカクつき(スタッター)が生じることがある
- 「仁王2」などのゲームでHDR設定を変更すると,RSRが起動しないことがある
- Radeon RX 6800 XTなど一部のAMD製グラフィックス製品で,VR HMDの映像がちらつくことがある
- Radeon(※RX?) 570などのAMD製グラフィックス製品で,ゲーム終了後に「Performance Metric Overlay」のGPU使用率が100%に固定されてしまうことがある
- Radeon RX 6700 XTなど一部のAMD製グラフィックス製品で,ビデオ再生時やゲームプレイ時にディスプレイが黒くチラつくことがある
- 一部のゲームやPCで「Enhanced Sync」を有効にすると,画面が黒くなることがある。Enhanced Syncを無効にすれば,この問題を一時的に回避できる
からの記事と詳細 ( 「AMD Software Adrenalin Edition 22.7.1」がリリース。マイクのノイズキャンセリング機能が利用可能に - 4Gamer.net )
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科学&テクノロジー
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