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Wednesday, June 22, 2022

塩野義のコロナ飲み薬 緊急承認は持ち越し 厚労省専門部会 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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塩野義製薬が開発する新型コロナウイルス感染症の飲み薬候補=同社提供 拡大
塩野義製薬が開発する新型コロナウイルス感染症の飲み薬候補=同社提供

 厚生労働省の専門部会は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の軽症者向け飲み薬の薬事承認について、「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」として結論を持ち越した。5月に新設された緊急承認の適用の可否が焦点で、数週間後に開く上部組織の薬事分科会と合同で改めて承認について検討する。

 薬の販売名は「ゾコーバ」。細胞内に入った新型コロナウイルスの増殖を妨げる働きがあり、軽症・中等症の患者が感染初期に1日1回、5日間服用する。実用化されれば国産の飲み薬としては第1号となる。

 塩野義製薬は2月末、約500人の治験の中間解析結果を基に、治験完了前の実用化を可能とする「条件付き早期承認制度」の適用を求めて申請。中間段階(第2相)の治験で塩野義の飲み薬を投与したグループは、偽薬のグループに比べて体内でウイルス量を減らす効果が確認されたとしている。

 一方、新型コロナに特徴的な12種類の症状の改善を総合評価した項目では明確な差がつかなかった。せきなど呼吸器症状に発熱を加えた五つの症状に絞った解析では、投薬による改善が見られたと発表している。安全性については、動物実験で胎児に奇形が生じる恐れが確認された。部会ではこうしたデータなどについて、緊急承認の要件を満たすか否かを中心に議論されたが、厚労省の担当者は「肯定意見も否定意見もあり、結論を出すに至らなかった」と話す。最終段階(第3相)の治験は今も続いている。

 5月に成立した改正医薬品医療機器法では、緊急時に医薬品の迅速な実用化を可能とする緊急承認制度が創設され、治験の途中段階のデータから一定の有効性が「推定」されれば承認が可能となった。塩野義は同月末、緊急承認制度の適用を申請した。【矢澤秀範】

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