(CNN) スーパーの生鮮品売り場で起きた取っ組み合いのけんか。パニック状態の買い物客が詰めかける通路。たちまち空っぽになった食品の陳列棚――。中国・上海でロックダウン(都市封鎖)が発表された27日、SNSには市民の混乱状態を映し出す動画が相次いで投稿された。
上海当局は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、大規模なロックダウンに入ると発表した。上海の東半分は28日午前5時から4日間、続いて西半分は4月1日から4日間、順番に封鎖され、住民が集団検査を受ける。
中国共産党が「ゼロコロナ」戦略を取り続ける中、人口2500万人の大都市・上海でこれほど厳格な措置が講じられるのは初めてだった。
上海当局はこれまで、同市がロックダウンに入ることはないと主張し続けており、それを否定する情報をでっち上げたとされる人物は捜査の対象にさえなっていた。これまでは集合住宅が順番に封鎖され、住民が検査を受ける措置が講じられていた。
しかし27日になって上海市は、東西で順番にロックダウンを行うと発表。それまで小規模のロックダウンに耐えてきた住民からは不満が噴出している。
中国当局がこの発表を行ったのは27日午後8時過ぎ。検査期間中に住民が必要とする物資の確保は自治体が保証すると強調した。
それでも住民はパニックに陥ってスーパーに殺到し、店は需要に応えようと営業時間を延長した。
大手SNSのウェイボー(微博)に投稿したユーザーは、生鮮品の購入は「負ける戦い」を争うようなものだったと振り返り、食料が少なかった1960年代の混乱になぞらえた。
大規模ロックダウンが始まる前から既に制限対象になっていた地区の住民は、蓄えを補充することができないと訴え、政府は市民のために十分な食料を提供できるのかと疑問をぶつけている。
28日の記者会見でロックダウン中の食料不足の懸念について質問された上海市の当局者は、「供給源の組織を強化している」と説明した。
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