ロシアのプーチン大統領は、「友好的でない」と見なす国に輸出する天然ガスについては代金の支払いをルーブル建てで求める方針を示した。
プーチン氏はロシア中銀に対し、１週間以内にルーブル建ての決済を可能にする仕組みを開発するよう命じた。ロシアは米国や英国、欧州連合（ＥＵ）加盟国、日本などを 非友好的な国に指定している。
この発表後、欧州のガス価格は一時30％余り急騰した。ロシア産ガスを巡る新たな取引方法は今のところ明らかでないが、ルーブル払いを義務付けることによりルーブルの価値を押し上げるとともに、制裁で打撃を受けた外貨準備を補充する狙いがあるとみられる。
一方、ロシア産ガスの購入が最も多いドイツのハーベック経済相は、ルーブル建てでの支払い要求は契約違反だと反発し、対応を欧州諸国と協議すると述べた。ドイツに次いで多いイタリアは、対ロシア制裁の軽減につながる可能性があるためルーブルで支払う意思はないと、ドラギ首相の顧問が言明した。
イタリア、ロシア産ガスにルーブルで支払う意思ない－首相顧問
ロシアのガス輸出を独占的に担う同国国営企業ガスプロムからガスを購入する公益各社にとっては、契約の再交渉が必要になり、円滑なガス供給に支障が出る恐れもある。
モスクワを拠点とするロッコ・インベストのエコノミスト、ドミトリー・ポレボイ氏は、ガスプロムが2021年に輸出で上げた売上高の約７割は「敵対的な」国家が占めると電子メールで指摘。決済手続きを変更すれば、ロシアのガス輸出量に「一時的に影響」する可能性があるとの見解を示した。
ロシア大統領府のウェブサイトに掲載された発言録によると、プーチン氏はまた、米国や欧州による制裁の報復として、天然ガス取引で「欠陥のある通貨」を使うのをロシアはやめるべきだと主張。「ＥＵや米国にロシア産品を供給し、ドルやユーロなどの通貨で支払いを受ける道理はないことは極めて明らかだ」とも述べたという。
原題：
Putin Demands Ruble Payment for Gas, Escalating Energy Fight (2)（抜粋）
Putin Wants Hostile States to Pay Rubles for Gas, Interfax Says（抜粋）
(情報を加えて更新します)
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