
◆北京冬季五輪 ▽スピードスケート女子1500メートル決勝(7日・国家スピードスケート館)
北京五輪に5種目で挑んでいる高木美帆(27)=日体大職=の強さを支える一つの要因が食事だ。2017年5月に広告契約を結んだ「株式会社 明治」から栄養サポートを受けるようになり、金銀銅メダルと大きな成果を上げた18年平昌五輪後も継続。担当する管理栄養士の村野あずささんが、この4年間の取り組みを振り返った。
高木美から、村野さんのLINEに毎食の写真が届くようになったのは17年5月だった。世界で勝つための一つの方法として栄養サポートを希望。五大栄養素をバランス良く取る「栄養フルコース型」の定着を目指し、炭水化物やたんぱく質などの量を確認した。
平昌までの9か月間で800食を超えるやり取りを通じ、ほぼアドバイスの必要がないレベルに到達していたが、大会後、オフが明けると再び写真が届き始めた。「自然な流れ」でサポートは続いた。既に下地は整っていたが、環境やコンディション、目的に合わせて必要な食事は変わっていく。例えば膝を故障したおととしの夏。十分な練習量が積めない状況で体重が増えすぎないように、白米も重さを量って食事の量を減らしつつ「野菜や海藻類、鉄分やカルシウムの多い食品は減らさない」などと密に連絡を取り合った。
自炊の幅も増やした。年間約300日をナショナルチームで活動しているが、自宅のある帯広市で合宿をする期間は自炊を心がけてきた。19年5月にまとめたレパートリーはポトフ、サバのみそ煮など新たに6種類が加わり、主食、副菜、作り置きを含め49種類に達した。以前は肉料理が中心だったが、魚料理にも取り組んだ。村野さんはこれをベースに1週間のメニューを提案。卵や納豆、鉄分強化のためアサリやマグロを毎日並べるなど工夫した。
継続性も大事なポイントだった。自炊は負担を減らすために丼もの、鍋、パスタなどを取り入れ、新しい調理器具の導入やサプリメントも活用した。「自炊を効率的にやる方法を悩まれていた時期もあった。時短を考えて、最近は作り置きも頑張っています」。練習がハードで食欲が落ちやすい夏場もスムージーでビタミンやミネラルを補給した。
コロナ禍で食事環境が制限されていた今季の海外遠征でも、日本から予備食を持参し、現地でネットスーパーを探して一品を付け加えた。「お菓子が止まらない」と誘惑に負けそうなときは、正直に伝えることで自制した。疲労度を測るための練習強度、食事や飲料を摂取した時間、写真をまとめた1週間の練習メニュー表も送られてくる。「なかなかそこまでやってくれる選手はいない。受け身ではなく自分で考えて行動し、アドバイスしたこともすぐに実践する。そういうところが高木選手の素晴らしさだと思います」。届いた写真は4年間で3000枚を優に超え、管理しきれないほど。数え切れない努力の積み重ねが、5種目挑戦を支えていく。(林 直史)
◆栄養フルコース型 株式会社明治が推奨する、体に必要な五大栄養素をフルに摂取する食事法。毎食に〈1〉主食(炭水化物)〈2〉おかず(たんぱく質、脂質)〈3〉野菜(ビタミン、ミネラル)〈4〉果物(ビタミン、炭水化物)〈5〉乳製品(たんぱく質、ミネラル)の5品をそろえる。それぞれに体づくり、疲労回復などの目的がある。
からの記事と詳細 ( 高木美帆を支える“49種類の自炊”…管理栄養士・村野あずささん振り返る - スポーツ報知 )
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