
北京五輪カーリング女子で1次リーグに挑んでいる世界ランク7位の日本代表ロコ・ソラーレ。これまで“もぐもぐタイム”で、フルーツや補給食などを食べる姿が注目を集めてきたが、今大会ではある日本のソウルフードを食べていると話題になっている。
ハーフタイム時、選手やコーチたちが作る円の中心には、ゼリーやどら焼き、ようかん、カットしたバナナなどがピクニック状態で並んでいた。中でも存在感を放っていたのが小さな三角形の包み。その正体は梅干しだった。
ロコの選手たちが持ち込んでいた梅干しは2種類。和歌山県の中田食品が1967年に発売して以来ロングセラーとなっている「梅ぼし田舎漬」と、ピンクのかわいらしい包装の減塩梅干し「しらら」だ。どちらも紀州産南高梅を使用した本格派だ。
同社の担当者によると、2種類の梅干しは2006年のトリノ五輪から夏冬の五輪で日本選手団に提供してきた。五輪の公式スポンサーである味の素から「国外で大会があることも多く、梅干しは日本のソウルフードでもあるので提供いただけないか」と声かけがあったことがきっかけだ。
これまでも多くの選手が同社の梅干しを口にしてきたが、公式のスポンサーではないため「宣伝はしないようにしている」と担当者。それでも、大会後には多くの選手から反応が届き、直筆でお礼の手紙を送ってくる選手もいるという。なかでもフィギュアスケートや競泳の選手からの反応が多く、複数の金メダリストからも写真やメッセージ、サイン色紙が送られてきた。担当者は「一粒ずつ個包装された物なので競技場に持って行きやすいのではないか」と話すが、感染予防など衛生面での利点もありそうだ。
トリノから16年の時を経て今回脚光を浴びることになった梅干しは、弁当では“日の丸”を象徴する。「日本の味で頑張れ日本! 自分の精いっぱいの力を出していい結果が出てくれればうれしいと思っております」とこれからも陰ながら応援を続ける。(瀬戸 花音)
◆栄養士が解説 管理栄養士の坂本星美さんはスポーツにおける梅干しの効能について「競技中は体に酸性の疲労物質である乳酸がたまっていくが、梅干しのクエン酸が乳酸を水と二酸化炭素に分解して外に流してくれるという働きがあります。また、汗と共にミネラルも失われていくのですが、梅にはカリウム、マグネシウム、リンなどミネラルが多く含まれているので、それが補給できる」と説明した。
また、東京家政大学の准教授で公認スポーツ栄養士の内野美恵さんは「カーリングは競技時間が長く、氷上は乾燥しているため実は汗をかいており、そのため、塩分とクエン酸の摂取が必要なのかもしれません。また塩分摂取よりも唾液の分泌のためなのかとも思います。唾液の分泌はリラクゼーションにつながり、他の食べ物も食べやすくなりますよね」と分析した。
からの記事と詳細 ( 日本代表ロコ・ソラーレ、力の源は2種類の紀州産梅干し 初提供トリノ五輪から16年経て脚光 - スポーツ報知 )
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