老舗ベーカリー「進々堂」(京都市)が業務用冷凍パンの賞味期限を偽装して販売していたことが2日までに、同社への取材で分かった。健康被害は確認されていないという。同社は事実関係を認めた上で「再発防止に努めたい」としている。
進々堂によると、業務用冷凍パンの「ヨモギバンズ」など4種類、約100パックの賞味期限を引き延ばした。社員2人が2月、本社工場で複数回にわたり賞味期限が迫ったパンの包装を開封し、新しい期限が記された包装に入れ直した。期限を約1カ月延ばしたパンもあった。
3月に内部通報で発覚。10月に2人を処分し、11月に保健所に連絡した。社員は調査に対し「勝手な判断で入れ替えてしまった」と説明した。
京都市は食品表示法などに基づき、商品の安全性に問題はなかったのか、科学的な根拠を提出するよう行政指導した。改ざんの時期や、組織の関与など不透明な部分も多く、原因究明を進める。
同社のウェブサイトや信用調査会社によると、1913年4月創業。京都市内にパンの販売店やレストランなど計12店舗を展開し、ホテルなどに向けて業務用冷凍パンも手掛ける。2020年9月期の売上高は約16億円。経営方針に「お客様第一の徹底」「内部管理の充実」を掲げている。(共同)
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