【NQNニューヨーク=戸部実華】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比48ドル20セント安の3万5312ドル53セント(速報値)で終えた。主要株価指数が過去最高値圏で推移するなか、景気敏感株を中心に利益確定や持ち高調整の売りが優勢だった。一方、緩和的な金融環境が続くとの見方から、長期金利の低位での推移が追い風となる高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入り、ダウ平均の下げ幅は限られた。
雇用サービス会社ADPが発表した8月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比37万4000人増と市場予想(60万人増)を大幅に下回った。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大が雇用の伸びを抑えているとの見方があった。建機のキャタピラーや石油のシェブロン、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株の一角への売りが目立った。
業績が景気に左右されにくいとされる主力ハイテク株が買われ、相場を支えた。一部の州で運転免許証や州のIDをスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などのアプリに加えるサービスの導入を発表したアップルが上場来高値を更新した。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比50.146ポイント高の1万5309.381(速報値)と過去最高値を更新した。
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