【NQNニューヨーク=戸部実華】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比225ドル96セント(0.6%)高の3万5120ドル08セントで終えた。ソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株が買われ、ダウ平均を押し上げた。前日まで下げが目立っていた消費関連株や景気敏感株の一部にも押し目買いが入った。
前日に業務ソフトの値上げを発表したマイクロソフトが業績期待から買われ、3%近く上げて終えた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップルも高い。18日に市場予想を上回る決算を発表したネットワーク機器のシスコシステムズへの買いも続いた。
消費関連ではホームセンターのホーム・デポが2%高となったほか、スポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが高い。景気敏感株は総じて上値が重い展開だったが、化学のダウや航空機のボーイング、建機のキャタピラーなどが小幅に上げた。
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日まで節目の20を上回っていたが、20日は18台に低下して終えた。投資家心理の過度な悪化がひとまず和らいだのも押し目買いが入った理由との見方があった。
もっとも、新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染が米国でも広がっており、景気減速懸念はくすぶったままだ。米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を早期に開始するとの観測が強まり、米景気を冷やしかねないとの見方もある。景気敏感株の上値を追う動きが限られた半面、業績が景気の影響を受けにくいハイテク株は買われやすかった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比172.874ポイント(1.2%)高の1万4714.663で終えた。検索サイトのアルファベットや交流サイトのフェイスブックが高い。18日に好決算を発表した画像処理半導体のエヌビディアは5%高で終えた。前日にヒト型ロボットの開発に乗り出す方針を明らかにした電気自動車のテスラは1%高だった。
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