【NQNニューヨーク=川内資子】30日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比20銭円安・ドル高の1ドル=109円65~75銭で取引を終えた。このところ対ユーロなどでドルが下落しており、月末に持ち高を調整する目的のドル買いが入った。
新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大による米景気減速への懸念などから、足元でドルは対ユーロなどで下落。ドルの総合的な強さを示すインターコンチネンタル取引所(ICE)算出のドル指数は29日に91台とほぼ1カ月ぶりの低水準で終えていた。30日は月末に持ち高を調整する目的でドルを買い直す動きが広がった。
30日発表の6月の米個人消費支出(PCE)は前月比1.0%増と市場予想(0.7%増)以上に増えた。米景気は今後減速する兆しはあるもののユーロ圏などと比べた堅調さが意識され、ドルの買い直しを誘ったとの指摘があった。
円の下値は堅かった。30日の米債券市場で長期金利は低下した。米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標のPCEデフレーターのエネルギー・食品を除くコア指数は前年同月比3.5%上昇が市場予想(3.6%上昇)を下回り、インフレ懸念がやや後退した。外為市場では日米の金利差拡大の縮小を意識した円買い・ドル売りも入った。
セントルイス連銀のブラード総裁は30日の講演で、インフレ圧力の高まりへの警戒感を示し、テーパリング(量的金融緩和の縮小)について「この秋に始め、かなり速く進めるべきだ」と述べたと伝わった。ただ、ブラード総裁はこれまでも政策の早期の正常化を支持する発言をしており、相場の反応は目立たなかった。
円の安値は109円82銭、高値は109円60銭だった。
円は対ユーロで小反落し、前日比05銭円安・ユーロ高の1ユーロ=130円10~20銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して横ばいをはさんで6営業日ぶりに反落し、前日比0.0020ドル安の1ユーロ=1.1860~70ドルだった。ユーロ高・ドル安が続いていた反動で、持ち高調整や利益確定目的のユーロ売り・ドル買いが優勢となった。
ユーロの安値は1.1852ドル、高値は1.1897ドルだった。
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