マツダが7月30日に電話会議で発表した2022年3月期の第1四半期(4~6月期)連結決算は、北米などの販売回復により営業利益は261億円(前年同期は453億円の赤字)と黒字を確保した。通期予想は半導体不足などの不透明要素が多く、据え置いた。
第1四半期のグローバル販売は、45%増の35万3000台だった。主力の米国は全体需要の回復もあって73%増の10万6000台、豪州は81%増の3万3000台と大きく伸ばした。日本は新車供給の制限もあり、7%増の2万8000台にとどまった。グローバル販売の水準は、コロナ禍以前である19年の4~6月期との比較では横ばいまで回復した。
営業損益段階での増減益要因では、出荷台数や車種構成の改善など販売に関するものが952億円の増益に寄与した。為替も円安で推移し139億円の増益要因となった。反面、原材料費の高騰などによりコスト改善は75億円の利益押し下げに作用した。第1四半期の売上高は2.1倍の8034億円と大幅増収になったものの、営業利益率は3.2%を確保した。純利益は114億円(前年同期は667億円の赤字)だった。
電話会議に出席した藤本哲也常務執行役員は、第1四半期の業績について「半導体の供給不足による制約はあったが、グローバルでの在庫管理を進め、米国や豪州など販売好調な市場に優先供給するなどのオペレーションで対処できた」と評価した。収益体質への転換の指標として、20年11月に新たに打ち出した「損益分岐点台数100万台」の目標については、固定費の削減や北米などでの販売改善が進み、この期では「年換算で100万台を下回る水準」になったと明らかにした。
一方で、今期の業績予想については「半導体の供給不足や値上げの影響、原材料価格の上昇などを慎重に見極める必要がある」とし、5月時点の数値を据え置いた。22年3月期は、グローバル販売をすべての地域で拡大させ、前期比9%増の141万台、営業利益は7.4倍の650億円、純利益は350億円への黒字転換、売上高は18%増の3兆4000億円を、それぞれ予想している。
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