■17年間の追跡調査で判明、牛乳と脳の良い関係 およそ6000年前から人類が親しんできた牛乳だが、「人の体に悪影響を及ぼす」と有害説がたびたび取り沙汰されてきた。例えば「牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる」「アトピーや花粉症が増えたのは牛乳のせい」「超高温殺菌牛乳は体に悪い」などである。 【図表】それ、本当に「牛乳」ですか?「種類別名称」を買う前にチェック! 牛乳は体に良いのか、悪いのか。 結論からいえば、日本人にとって牛乳が体に悪いという根拠はない。 “日本人にとって”と記したのは、実は海外では牛乳に関して膨大な論文があり、乳製品の過度の摂取はがんを発症するという見方が強い(国内では「牛乳摂取とがん発症リスク」との関係に対して「データ不十分」の扱い)。また毎日何杯も飲めば、脂質の取りすぎにもなってしまうため、私も“大量に”はお勧めしない。 しかし、少なくとも「一日一杯の牛乳」であれば、子供から大人まで「脳と体」の健康を維持するため飲んだほうがいいといえるだろう。 ■コロナ禍の今、牛乳を積極的に飲んだほうがいいワケ 『体を悪くする やってはいけない食べ方』(青春出版社)の著者で、管理栄養士の望月理恵子さんはこう話す。 「よく知られるカルシウムだけでなく、必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質、皮膚や粘膜を健康に保ち、病気に対する抵抗力を強めるビタミンA、ビタミンB群なども含みます」 さらに、コロナ禍の今、取るといい理由として、「牛乳には、タンパク質や、その消化によって生じるペプチドに、抗菌作用や抗炎症作用および抗アレルギー作用など様々な免疫調節作用があることが報告されています」という。
■「牛乳を毎日飲む」と「認知症の発症率が低下する」 そして多忙なビジネスマンにもうれしい話が。牛乳は、生活習慣病の予防にもなる。尿酸の排出を促し、尿酸値も下げる。その明らかな仕組みはまだわかっていないが、高尿酸血症などの生活習慣病予防になることが世界的に知られている。 「牛乳は体内への吸収が緩やかで、食後に血糖値を急激に上昇させない(低GI)食品です」と望月さん。 食事が炭水化物中心であったり、夜食が必要な人は一部分を牛乳に置き換えることで、必要な栄養素を補給しつつ、糖尿病をはじめとした生活習慣病になりにくい体になるだろう。 脳の健康を維持する役割もある。「牛乳を毎日飲む」と、「認知症の発症率が低下する」という国内の報告が多数あるのだ。 代表的なものは、福岡県久山町に住む認知症でない住民(60歳以上)を対象に、1988年から17年間追跡した久山町研究。牛乳・乳製品の摂取量で住民を4つのグループに分けて比較したところ、アルツハイマー型認知症の発症率は「牛乳や乳製品の摂取量が増加するほど低下する」という結果になった。 だが、これは「飲めば飲むほど認知症の予防効果が高まる」と示されたわけではない。冒頭に記したように多量に飲むのではなく、他の乳製品と組み合わせながらこまめに取ったほうが健康にプラスになるだろう。 ■市販されている「牛乳」は大きく6種類もある さて一口に牛乳といっても、市販されているものは大きく6種類に分けられる。商品パッケージに記載される「種類別名称」で確認できることを知っておきたい。再び望月さんの話。 「種類別名称の項に『牛乳』と記載される商品は、生の乳(生乳)を加熱殺菌しただけのもので、成分無調整。一方で生乳から水分、乳脂肪分などを除去して成分濃度を調整したものが『成分調整牛乳』。成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を除去したものはその除去割合により、『低脂肪牛乳』『無脂肪牛乳』と表示されます」 加工乳と乳飲料を除いた、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳は“生の乳100%”。その中でも、種類別名称に「牛乳」と表記されたものは、成分無調整タイプで、牛乳本来の甘みとコクが最も感じられるはず。
からの記事と詳細 ( 「コロナ対策にも有用」牛乳を飲むなら6種類のうちどれを選べばいいか(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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