[17日 ロイター] - バイデン次期米大統領が財務長官に指名したイエレン連邦準備理事会(FRB)前議長は、19日の上院指名承認公聴会で、市場が決定する為替レートへのコミットメントを確認するとともに、ドル安を目指さないと明言するとみられる。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が17日、バイデン次期政権当局者の話として報じた。
WSJによると、イエレン氏は新政権の為替政策に関する質問には、「米ドルや他の通貨の価値は市場により決定されるべきだ。市場は景気動向を反映するよう適応し、おおむね世界経済の調整を促す」との考えを示す。
さらに同氏は「米国は競争上の優位性を得るために通貨安を後押しすることはない」とし、「他国によるそのような取り組みには反対すべき」と述べるとみられる。
イエレン氏の政策は、新政権で予想されていた通り、米国の従来の為替政策への回帰を示すものとなる。
トランプ大統領は他国に競争上の優位を与えているとして、数年にわたりドル高を批判してきたが、昨年5月にドル高を容認する立場に転じた。
バンク・オブ・シンガポールのアナリスト、モー・シオン・シム氏は、不干渉というトランプ政権前の米国のスタンスに戻るシグナルをイエレン氏が発するようだと指摘。今後、財務長官にとってドルや金融市場の注目度が低下し、財政支援政策の実施に重きが置かれるとの見方を示した。
イエレン氏の上院承認はほぼ確実視されており、同氏はバイデン新政権でいち早く承認される閣僚となる見通し。
バイデン氏の政権移行チームはイエレン氏の公聴会についてコメントの要請に応じていない。
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