日経リサーチは消費者やビジネスパーソンが企業ブランドをどのように評価しているかを多角的に分析する、2020年版「ブランド戦略サーベイ」の調査結果をまとめた。総合得点ではアップルジャパンとソニーが首位で並んだ。外出自粛で生活インフラとしての重要性が再認識されたヤマト運輸が順位をあげ3位となった。
上位企業の顔ぶれをみると、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要を取り込んだ企業が名を連ねる。19年調査に続きトップとなったアップルジャパン、19年の2位から首位に並んだソニーはともに、在宅勤務の常態化など生活スタイルの変化によって、スマートフォンやゲームに触れる機会が相対的に増えたことが、企業ブランドの評価にもつながった。
ソニーの4~6月のゲーム事業の営業利益は1240億円と前年同期比で68%増えた。人気ソフト「The Last of Us」の続編を6月に発売し、3日間で世界の累計販売本数が400万本を突破。傘下の開発会社による家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」向けソフトウエアとして過去最速の記録だった。
ヤマト運輸も巣ごもりでブランド評価を高め、消費者ランキングで3位(19年調査は14位)と順位を上げた。緊急事態宣言などを受けて全国で外出自粛の動きが広がり、生活インフラとしての個人向け宅配の重要性が再認識された。対面での接触をできる限り避けながら配送サービスを継続するなどの工夫も評価につながったようだ。
総合4位には日本マイクロソフトが入った。ビジネスパーソンランキングでは1位(19年調査は2位)となっており、在宅勤務をサポートするシステムとして評価するビジネスパーソンは多い。
総合ランキングでトップ10圏外から上昇したのは、10位の日本コカ・コーラ(19年調査は18位)のみだった。コロナ禍の影響で一部順位に変動はあったものの、上位陣の企業が培ってきたブランド力の強さがうかがえる。
■調査の方法
各業種を代表する600社を対象とした。日経リサーチの登録モニターなどに6~7月、インターネットを通じて聞いた。消費者4万7136人、ビジネスパーソン4万6636人から回答を得た。
(調査の詳細を23日付の日経産業新聞、日経MJに掲載)
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