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Tuesday, August 4, 2020

800種類の魚介が生きる浜名湖の豊かな恵みを味わい尽くす|新・お出かけ紀行 - 日刊ゲンダイ

 浜名湖は海水と淡水が混じる汽水湖だ。「湖」といっても塩分濃度が高く、タイやスズキにクルマエビ、カニ、イカ、タコまで生息している。その数、ざっと800種類。河川法上は2級河川に分類されているが、豊かさは“超一級”だ。

 ◇  ◇  ◇

■100年以上前から続く「たきや漁」

 浜名湖の豊かな恵みは独自の伝統を生んだ。そのひとつが湖東部・雄踏町の漁師たちが行う「たきや漁」。100年以上続く独特の漁法だ。

 夜間に舟を出し、浅瀬をゆっくりと移動しながら、光に集めた魚をモリで突く。野性的で豪快な漁だ。

 例年、5月から9月末まで行われ、予約をすれば体験も可能。モリの長さは2メートルを超え、遠くからでも仕留められる。半面、ズシリとした重さもあり、素人には扱いが難しい。それがまた面白いのだ。

 日が暮れる前に集合し、まずは河口付近を目指す。シンボルタワーの大鳥居近くで太陽が沈むのを待ってから、その日のポイントに移動する。

 最初はサヨリが多く生息するエリア。湖底まで差し込む光が魚を映す……はずなのだが、目が慣れていない素人はすぐに見つけられない。

 一方で、船頭の浜名漁港・晃平丸の藤田晃平さんは、「右側にカニがいますよ」「あっ、クロダイです」「スズキですね」と、魚種まで簡単に見分ける。そして、遠くのクロダイもモリで一撃だ。

 記者も藤田さんのアドバイスを頼りに、船首付近にスクッと立って大物を狙う。簡単なのは甲羅に突き刺すカニ。じっと動かないことが多く、手応えも分かりやすい。

 途中でポイントを変えながら、サヨリや舌ヒラメ(!)もゲット。大物は捕らえられなかったが、“釣果”はまずまずといったところか。
 雨が降ってきたところで漁は終了。湖上に浮かぶイカダ「TAKIYA BASE」に場所を移し、取れたての魚介で宴会だ。調理は船頭さんがやってくれるので、客はひたすら飲んで食べるだけである。

「地元の常連さんは近くのホテルに引き揚げて1泊し、翌朝、直接仕事に向かうこともあるようです」(浜松・浜名湖ツーリズムビューローの河野美奈子さん)

 クセになるのが分かる楽しさだ。

 料金は1隻(大人4人まで)、調理なしで3万円、調理ありで3万3000円。予約は「たきや組合遊船部」(℡053・592・2260)まで。

新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、16日まで休漁中。以降も継続の可能性あり

うま味が最大限引き出された「伸東ヒラメ」

 浜名湖畔の伸東養魚(℡053・594・1089)では、地下40メートルからくみ上げる地下浸透海水でヒラメを養殖している。無酸素状態で自然濾過されるため寄生虫も生きられず、安心・安全な成育環境が用意できるという。

「水温も年間を通して19度と安定しているため、エサもよく食べます」(同社の徳増幸江さん)

 与えているのは小女子の成魚・女郎人で、より自然に近い状態だ。

 出荷する際の“仕立て”も丁寧。社長の徳増邦彦さんは「究極の血抜き法」として注目されている津本式を学び、うま味を最大限に引き出す。東京の老舗百貨店も取引先だ。フィレ4枚をセットにした通販(3500円、送料別)もしているので、“白身好き”なら試して損はない。

 現地を訪れた際は、地産地消の居酒屋「浜名湖食彩 わらしべ」(℡053・575・0655)でも食べられる。

「伸東ヒラメはエンガワがプリプリで大きい。エンガワだけの握りを注文される方もいらっしゃいます」(同店の料理人・橋本哲至さん)

「伸東ヒラメ極み丼」(950円)は、熟成してうま味が増した身に甘めのタレと黄身がよく絡む。まさに究極の丼だ。

「ギョギョ市」で高級魚をゲット!

 「えびすき漁」も浜名湖特有の漁法だ。海に向かう途中のクルマエビを網ですくう簡単な漁だが、運が良ければ1日で1000匹は取れるという。

「流れてくるエビは失神しているみたいに動きません。ただし、ものすごい数のスズキも群がる。人間とスズキの戦いが繰り広げられることになります」(新居漁港・極漁丸の黒田武大さん)

 残念ながら今年は漁が中止となったが、新たな試みとして毎週日曜日の午前9時からギョギョ市を開催。黒田さんたちが取った魚介類をインスタライブで競り落とすイベントだ。思わぬ高級魚が激安価格で落札されたりしている。

 詳しくはインスタグラムで「極漁丸」を検索。

国内で唯一の現存する関所

 明治2(1869)年に制度が廃止されながら、小学校や町役場として使われたために奇跡的に残ったのが新居関所だ。現存する建物は、嘉永7(1854)年の地震で倒壊後に安政2(1855)年から同5年にかけて建てられたもの。華美な飾り付けなどは一切ないが、周辺の街並みとあわせ江戸時代の雰囲気を今に伝えている。国の特別史跡だ。

(住)湖西市新居町新居1227―5

(取材・文=二口隆光/日刊ゲンダイ)

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August 05, 2020 at 04:00AM
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