仕事に育児に忙しい平日は、「あ、そういえば今日の夕飯のことを何も考えていなかった!」なんてことが多々ある。そんな時、レトルトやインスタント、出来合いのお惣菜を駆使するのもいいけれど、それが続くと心のどこかに罪悪感が残ったりする。
手軽に作れるレシピのレパートリーを増やしたいなぁ。そう思っていた時に見つけたのが『あるものだけで作れる平日ごはん』(市瀬悦子/主婦の友社)。わざわざ買い物に行かなくても、家に常備しているものだけでできるレシピを紹介する1冊だ。
著者は“おいしくて作りやすい家庭料理”を得意とする料理研究家の市瀬悦子さん。この本に登場するレシピは、使う食材は2~3種、調理工程も少なく忙しい日でも気負いなく作れるものばかりだ。その上見た目も鮮やか、というのが市瀬さんのレシピの愛されるところ。本書の中から気になったレシピを少しご紹介しよう。
ほったらかすだけで簡単! 「鶏肉とじゃがいものトマト蒸し」(p.40)
まずは主菜から1品。蒸し料理は一見面倒そうに感じるが、実はほったらかすだけで抜群においしく仕上がる平日ごはんの味方だ。
作り方は、フライパンに半月切りにしたじゃがいもと一口大に切って塩・こしょうをまぶした鶏肉を順に重ね入れてミニトマトを散らし、水2分の1カップを加え、バター、ローリエをのせて火にかける。煮立ったらフタをして中火で8分ほど蒸し、仕上げに塩を少々振ってざっとまぜればできあがり。
鶏肉の旨みとバターのコクが全体にしみ込んだ本格洋風メニューがたった15分で完成するなんて…! 我が家の場合、時間がない日は炒め物ばかり作っていたが、蒸し料理は火にかけている間に別のことができるので、炒め物よりも手間いらずであることを実感した。たっぷり作って作り置きにしてもいいかもしれない。
ねっとり濃厚、でもさっぱり「キャベツのアボカド和え」(p.64)
続いてアボカドとキャベツを使って10分で作れる副菜をご紹介。キャベツは一口大に切ってさっとゆで、ザルにあげて冷まし、水気を軽く絞る。ボウルにフォークで荒くつぶしたアボカドとキャベツを加えて和え、皿に盛り、練りわさび、オリーブオイル、しょうゆで作ったタレをかければ完成。
これ、とっても簡単でシンプルにおいしい。これまでもアボカドを使った料理は作ってきたけれど、キャベツと合わせるというのは意外だった。
本書にはこんな風に、これとこれを組み合わせるの!? という市瀬さんらしいレシピが詰め込まれている。ブロッコリーを海苔の佃煮で和えたり、ニンジンをたらこバターで和えたり。定番だけどちょっと斬新。そんなユニークな1皿は、食卓を明るくしてくれそうだ。
食材ひとつでできるごほうびつまみ「豆苗チヂミ」(p.85)
3品目は夏の晩酌は欠かさないという人に、おつまみレシピからおすすめをひとつ。ボウルに溶き卵、小麦粉、片栗粉、塩、水をまぜて生地を作り、3cmの長さに切った豆苗を加えてまぜる。フライパンにごま油を熱し、生地を平らに広げて両面を焼いたらできあがり。途中、ごま油をフライパンの縁から流し入れるとこんがりと焼ける。
好みで酢じょうゆやコチュジャンをつけて食べれば、ビールが進む、進む! 使う食材は豆苗だけなので、節約レシピとしても重宝できる。
“なるべく自分で作って食べることは、毎日を豊かにしてくれます”
これは本書の冒頭に載っている市瀬さんの言葉だ。どんなに手軽でも、やっぱり手作りのものはおいしいし、食べる人を幸せにしてくれる。
“お気に入りのレシピが見つかったら、おうちにある別の食材におきかえたり、香辛料をプラスしたりとアレンジを加えてみてください。そうしてみなさんのおうちの味がまたひとつふえたらいいな、と思います”(市瀬さん)
私のような主婦はもちろん、これから料理を始めたいという人にもおすすめしたい本書。コロナ禍で外食にも気軽に行けない今こそ、パパッと作れるレシピのレパートリーを増やしておうちごはんを楽しんでみてはいかが?
文=齋藤久美子
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August 21, 2020 at 09:00AM
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家にあるものだけで作れる! 2~3種類の食材でおいしい平日の手作りごはんレシピ - ダ・ヴィンチニュース
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