アジサイが咲き誇る境内の「あじさい図鑑」のコーナー＝いずれも台東区で
梅雨時の奥浅草の風物詩「夏のお酉（とり）さま あじさい祭」が二十日、台東区の長国寺（千束三）で開幕した。新型コロナウイルスの影響で浅草でも祭りなどの自粛が続いてきた中、久々のイベント。初日は好天に恵まれ、コロナ終息を願って僧侶が祭りの起源にちなむ悪病退散祈願の水行をした。二十一日まで。 （井上幸一）
地域の商店街「一葉桜開運振興会」「吉原商店会」の主催。イベント事務局によると、江戸時代後期にはやり病がまん延した際、寺の住職が悪病退散の祈願をしたのが祭りのきっかけという。その後、門前市が開かれ、あじさい祭に発展した。
祭りの目玉は、全国からアジサイ約百種類を境内に集めた展示「あじさい図鑑」。写真愛好家が熱心に撮影しており、一眼レフカメラを手にした千葉県船橋市の佐野英夫さん（８４）は「ネットで知って初めて来た。見たことない種類のアジサイがたくさんあるね」と驚いた様子だった。
水行は、開幕に合わせて正午から井桁栄秀（いげたえいしゅう）住職（３３）ら三人の僧侶が実施。あじさい祭では初の試みで、お経を唱えながら、おけで水をくんで頭から何度も浴びた。井桁住職は「コロナに対して何かできないかと模索したが、僧侶にできるのは一心に祈りをささげることだと思った」と話した。
一方で、毎年恒例のステージイベント、薬膳キュウリ汁のサービス、頭のツボにおきゅうをすえる「ほうろく灸（きゅう）」などは、密集ができるのを避けるため今年は中止にした。
祭りには、近くの一葉桜国際通り振興会、千束通商店街、浅草ひさご通り商店街も連携。各エリアでアジサイを飾るなどして、同時に地域を盛り上げた。
最終日の二十一日は午前十時〜午後四時。水行を午後四時に行う予定という。
コロナ終息を祈願した水行
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