コラム【風向計】
顔写真付きのマイナンバー(個人番号)カードは希望者に交付される。私の財布にも入っている。
個人番号制が目指す公平な税負担や社会保障を後押しするのならばと、2016年の開始時に申請した。ただシステム障害などトラブルが続き、カードの普及率は15%止まりという。実生活で使うメリットが小さいことも不人気の要因だ。
そして今月。「ついにここまで」と驚く出来事が起きた。8日付本紙に、こんな見出しで大混乱が報じられた。
<ネット給付申請 なのに役所に列 密集状態>
新型コロナウイルス対策である国民1人当たり10万円の給付金は、カード所持者ならインターネットで申請できる。ところが、カードの暗証番号を忘れた人などが福岡市の区役所に殺到した。暗証番号の再発行までに6時間かかった人もいた。
主客転倒。あり得ない話である。当然ながら、全国で同じ混乱が起きている。今後もしばらく続くだろう。
そもそもスタート時から総務省の制度設計が悪過ぎた。筆者の最近の体験を書き留めたい。
給付金の「き」の字もなかった今年2月半ば-。カードの有効期限(5年)が近いとの通知を受け、更新のため区役所に出向くと、やはり順番待ちで完了までに2時間かかるという。その上、カードに電子登録されているはずの住所や氏名を紙の申請書に書くよう求められた。「は?」
しかも後に調べるとカードの「更新」とは、暗証番号を変更する手続きのみだ。変えなくてもいいが、本人との対面は必要という。
さらに、ややこしい。
一枚のカードには2種類の機能がある。一つはコンビニで住民票を取るなどの電子証、もう一つは通常の身分証だ。これをベースに、暗証番号は実に4種類も存在した。
確かに、交付時にもらった控えをよく見ると、それぞれ小難しい行政用語が付けられた4種類の暗証番号を自筆で記入していた。
今回のような想定外の給付金申請はどれを入力するのか。3~5回間違えればロックがかかる。平身低頭しながら難解な説明を強いられる職員の方々が不憫(ふびん)でならない。
個人番号制の構築、運営費は既に数千億円。使う側を無視したような制度は、今からでも根本的に改めるべきだ。
コロナ禍は善かれあしかれ、社会を変えようとしている。安心にもつながる個人番号が、時代の足かせであってよいはずはない。
(特別論説委員・小出浩樹)
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