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Tuesday, February 25, 2020

2種類の5G──「ミリ波」「Sub6」って何? Xperia 1 IIは後者のみ - Engadget 日本版

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日本でも3月より商用サービスが始まる5G。この対応をめぐり「ミリ波とSub 6に両対応するスマホ」と「Sub 6だけに対応するスマホ」に分かれています。

「Sub6」とは、6GHz未満の比較的低い周波数帯のことです。実質4G周波数の延長として利用でき、エリアを広くカバーするのに適しています。国内では「4.5GHz帯」と「3.7GHz帯」が割り当てられており、ドコモとKDDIがそれぞれ200MHz幅、ソフトバンクと楽天はそれぞれ100MHz幅を利用します。

「ミリ波」は、30GHz〜300GHz帯を指します。ただ、厳密な区分けではなく、日本で5Gに使われる28GHz帯もミリ波と呼びます。特徴は、前述の「Sub 6」に比べて周波数が高いことです。電波は周波数が高いほど直進しやすく、障害物の影に回り込む性質が弱くなります。また、大気中の水蒸気や降雨で減衰しやすく、広いエリアをカバーする用途には向きません。

その一方、広大な帯域幅を確保できるメリットがあり、日本では4キャリア(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天)にそれぞれ400MHz幅ずつ割り当てられています。帯域幅は広いほど通信容量を確保できるため、都心部など、混雑エリアをスポット的にカバーするのに向きます。

国内メーカーのスマホは「Sub6のみ対応」が主流

このように、周波数帯域としては大まかに2種類に分けられる5Gですが、シャープやソニーモバイルが相次いで発表した5Gスマートフォン「AQUOS R5G」「Xperia 1 II」はいずれも「Sub6」のみ対応で、「ミリ波」には非対応です。これは、周波数の高いミリ波に対応するには、端末のアンテナ形状を工夫する必要があるなどの要因があります。

『ミリ波非対応なら、なんちゃって5Gでは...』という声も聞こえてきそうですが、当面は「Sub6」だけでも問題なさそうです。前述の通り「ミリ波」は混雑エリアをスポット的にカバーすることしかできず、当初は「Sub6」を中心に5Gエリアを構築していくものと思われます。この点では、ソニーやシャープの判断は現実的と捉えることもできます。

なお、サムスンの「Galaxy S20+」「Galaxy S20 Ultra」は、「Sub 6」と「ミリ波」に両対応。ソニーモバイルが開発のみ発表した「Xperia PRO」も同様です。iPhoneの次期モデルも「ミリ波」と「Sub6」に両対応すると噂されており、今後は両対応が主流となる見通しです。

5Gの全国エリア化には「4G周波数」の転用が不可欠

5Gの全国エリア化という観点では、ミリ波の「28GHz帯」やSub6の「4.5GHz」「3.7GHz」でもまだまだ役不足。より周波数帯の低い既存の4G周波数帯を5Gに転用することが不可欠です。

総務省内は、4G周波数を5Gに転用する議論を前倒しで行っています。なお、5Gでは、1つの周波数帯で4Gと5Gを同時に展開できる「ダイナミック・スペクトラム・シェアリング」といった技術革新があり、4G周波数の5G転換は劇的に進みそうです。

「真の5G」実現はまだ先

余談ですが、3月に商用サービスが始まる5Gは、既存の4Gネットワーク上に、高速大容量な5G回線をアドオンした「ノンスタンドアロン5G」(5G NSA)と呼ばれる方式です。コアネットワークは4G回線を利用。5Gの特徴である、回線の用途ごとに帯域幅を細かく制御し、『遠隔医療向けには一定の帯域と低遅延を保証する』といったことを実現する「ネットワークスライシング」の恩恵には預かれません。

なお、国内キャリアではKDDIが2021年中に、コアネットワークを5G化した「スタンドアロン5G」(5G SA)を展開予定。真の5G時代はそれ以降に訪れます。

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February 24, 2020 at 03:00PM
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